Archive for December 2008

01 December

<NATALIS Newsから> 我が子の成長曲線は?

 何事も上達までの道筋には個人差があります。楽器やスポーツなどを考えてみればわかりやすいのですが、何回繰り返しても一向に壁を越えることができず苦しむことが、必ず、しかも何度もあるものです。そして、ある日突然できるようになります。するとしばらくはどんどん進むような感じになり、もう以前苦しんだ壁より前に戻ることはなくなります。ちょうど一度自転車にちゃんと乗れるようになったら一生忘れないのと同じことが、小さな段階ごとに起こっているようです。
 人間の脳内の活動である学問領域においても、全く同じことが起こります。我が子がなかなか進歩を示してくれないときにはついイライラとしてしまいますが、こうした習熟・上達への自然な流れはわかっているのですから、できないことや時間がかかることを非難するのではなく、「今日頑張ればきっと明日はできるよ」と、常にプラスに考え「期待」を心の常態にしたいものです。
 そういったいわば「習得曲線」とともに、大きな年齢幅での成長の違い=「成長曲線」も大事な観点です。当方は長年、数ヶ月の赤ちゃんから高校生まで、発達心理学や脳科学などの知見を参照しながら、すなわち、言語能力、思考力、語彙や知識の獲得と操作能力、集中力や持続力等の学習能力などの発達を観ながら、英語や国語などの教科指導に携わっていますが、確信を持って言えるのは、どの時期にどんな能力が大きく伸びるかという成長曲線は、一人ひとり大きく異なるということです。もちろん決まったものがあるのではなく、ここでも前向きな気持ちで日々の地道な努力をたゆまず継続していけば必ず大きく伸びる時期が来るし、逆に努力を怠れば収穫は小さなものにならざるを得ません。そして見守る側のお家の方々が長期的な視野を持ち、同時に大きくゆったりと深い海のような期待をもって「今」を受入れ、また適切な選択を行ってあげていただければ、成長曲線としては想像できなかったほどの、限りない伸びを示すことも起こるのです。
 一例をあげましょう。今回の英検で5級(中1終了相当)に合格した小1のYさん。特に小学校に通うようになってから英語を覚えるのが大好きになり、どんどん進みたい様子なので個別指導に切り替えられました。そして、英検の準備を始めると問題を解くことが楽しくて仕方ない位に「ハマッて」しまい、結局市販されているほとんどの問題集を一人で解いてしまいました。英検本番の日には「4回見直しをした」そうで、リスニングも含め余裕の満点でした。好きなことに打ち込んだときの人間の能力の伸びは、年齢に関係なく計り知れないものがあります。タイミングを逃さずにより良い環境を準備されたお母様のファインプレーも素晴らしいと思います。

12:29:49 | natalis | |