Archive for June 2009

09 June

<Natalis News>幼児期に“感覚”を養成、小学生で英検3級合格、中学生で英検2級なら...

(NATALIS NEWS 2009年3月号 より)
 新年度を前にこの1年の学習成果を総括してみますと、今年も受験生や英検で客観的な評価にチャンレンジした生徒たちが素晴らしい実績を残してくれました。その中でより明確に見えてきたこと、より大きな自信を持ってお伝えできるようになってきたことがあります。それは、どの時期にどんな実力をつけておけば、どれだけの成果につながるか、という最も重要とも言える「見通し」の具体的な内容です。

 表題の通り、中学生で英検2級(高校終了相当)に合格する生徒が続くようになってきました。
 英検だけでももちろん立派ですが、当学院の方法では英検問題以上に難しい長文を深く正確に読み取れるところまで鍛え上げ、さらに速音読を含む独自のメニューでリスニング力やスピードまで養成していますので、難関校の受験にも直結する力になるのです。学芸大付属や慶應女子高に合格したHさんの場合も、大学入試2次試験レベルの英文を読んでいましたので、高校入試の問題で困ることはありませんでした。それでも慶應の問題は手が付けられない部分が残った程だと言います。多量の難しい長文を読み語数の多い作文まであるので、普通の学力では全く歯が立たず点差が大きく開いてしまうテスト。それは逆に、実力のある人にとっては大きく差をつけられる教科となるのです。合格者の平均点が高いところに集中しやすい数学や理科社会、差がつきにくい国語と比べて「英語ができることが最大の武器になる」と言われる所以です。Hさんの他にも、中高一貫の有名私立進学校でトップクラスを維持している人たちも同等以上の進度で進んでいることを付け加えておきましょう。
 そのような実力の目安が、まず中学生で英検2級合格だとすれば、例えば、中2で英検準2級や中1や小学生での3級合格もそこへつながる道の里程標となります。実際、昨年中1で英検3級に合格して高校入試の最難問レベルに取り組んでいるMさんは、有名進学校の校内試験で英語は10位以内を維持しています。
 そうしたなかで、小学生で3級に合格する生徒が増えてきたことは、中3までにはさらに先まで進んでくれるのではないかという期待を抱かせてくれます。(とは言っても当学院内では中学受験をされる方のほうが多数派ですから、絶対数はまだまだですが。)公立中学校で部活や校内活動に大活躍しながら最高の成果を挙げたHさんのような例もありますので、中学受験に迷っていらっしゃるご家庭にとっては一つの選択肢ともなることでしょう。
 一方で、中学を受験することを決められている皆さんには、小3で英検3級合格して小5の途中まで英語を続けてくれたKさんの例があります。トップ校の一つに合格しすぐに戻ってきてくれたKさんは、ブランクを取り戻し試験に対応できる正確な力をつけるために総復習をしていますが、入学前に中学相当の内容は「完全」にできる見込みです。長文が読める英検3級まで磨けば輝きはすぐに取り戻せるのです。3級でなくとも文章が正確に読み取れる4級程度まで中学受験に集中される前までに進んでおかれることを強くお勧めします。レベルの高い学校であればあるほど、入学後に英語で差がついてしまいなかなか追いつけないという現実があるのですから。

 小1をはじめ低学年で英検5級にチャレンジして合格し、さらにやる気を高めている小学生がどんどん増えていることは、上記のような道へさらに高い出発点で進んでいける生徒が多くなるという大きな期待を抱かせてくれます。この国の英語教育は、小学5,6年生にアルファベットからの学習を始めさせることを大問題としていて、11年の実施を前に未だに中止や延期の議論が止みません。しかし、実際に子どもたちは、週1回50分の授業と週にA4用紙で2,3枚程度の宿題で、これだけの実力をつけられるのです。今回は受験などの学力に絞ってお話しましたが、会話やコミュニケーションの根幹の力であるリスニング・コンプリヘンション(聞いて理解する力=音声の聞き取りだけでなく、相手の意図まで汲み取る能力)の領域ではもっと素晴らしい成果が現れています。幼児期から感覚や姿勢を育て、その力をさらに高度な言語能力にまで直結させるアリティス・メソッドで日本の英語教育を革新するという当初の使命を現実感を持って再確認し始めています。

21:57:00 | natalis | |

01 June

<NATALIS Newsから> 【家庭内文化論】科学と歴史を語ろう!

 家庭内での“ことば”の重要性の話をいつも繰り返していますが、子どもが小学生以上になると話の内容も問題になってきます。学校の授業で何でも教えてくれるからと安心して、「勉強」としての教科学習以外に無関心でいると後で困ったことになる場合も多いのです。
 最近のお茶の水女子大とベネッセ教育研究開発センターの共同研究の報道では「(国語の)成績上位の子どもの保護者は本をよく読む」「下位の子の親が好むのはテレビのワイドショー」といった十年一日の内容が挙げられていましたが、皮相な研究も大手マスコミのお茶濁し姿勢も相変わらずです。本当に大事なのは、読まれる本の内容であり、語られる話題の程度であり深さです。難しいと思われるような事柄でもよく話題にされ、時には深く調べてみたり、大人同士が真剣な議論を戦わせたりといったことが、普通に行われるような‘風土’があるかどうか、一度我が家のことを振り返ってみる必要がありそうです。大人がもっている常識での単なるニュースや用語の解説ではまだ表層的で、もう一歩踏み込んで行けるかどうかが分かれ目ではないかと思います。時代を動かす原動力となっている思想やものの見方のパラダイム(=枠組み)があります。また、人類のめざすべき未来を考える時に絶対に知っていなければならない情報も常に更新されている必要があります。理想をいえばきりがないのですが、親もやはり勉強していなければならないということです。
 そこで、「実際にはどんな内容を?」ということになるのですが、ここでは先端の科学と歴史ということを挙げておきたいと思います。量子論の示す極小の世界と宇宙の在り様、遺伝子や脳科学から解明される人間の姿、あるいは、複雑系の考え方と人工知能などの応用領域、そして、学問としての生態学の描く新しい世界観、等々。大人世代が学校時代にほとんど習わなかったけれども、この世紀にわれわれがどこへ向かう(べき)かを考える時に不可欠な大きな知の領域があります。そこに、あらゆる知識の土台とも言うべき歴史を必須事項として加えたいと思います。テーマの選択には様々な意見があると思いますし、とても一度に扱えるものでは在りませんが、このような本当に重要な事柄を、例えば小学校の「調べ学習」のように手分けして調べてまとめ発表するというような学びの‘風土’を導入できないもでしょうか。もちろん、親が率先して行うことが出発点です。そういった家庭内環境が自然に子どもたちに与える影響こそ本質的で何物にも代え難いものなのです。まずは、明日本屋に行って手軽な新書本あたりから始めてみてはいかがでしょうか。

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