Archive for November 2010

01 November

<Natalis News>より ー 小学校英語必修化を前に ー 子どもの英語力の可能性は?

 小学校への英語の正科導入(必修化)がいよいよ来年度となりましたが、既に多くの小学校でも何らかの英語授業が実施されていることもあり、あまり話題も盛り上がらずにその時を迎えようとしているかのようです。それは、5・6年生の2年間で学習することが、体験的な初歩のコミュニケーション活動に限定され、「文字や単語は音声の補助として扱う」 「習熟度や達成度の評価は一切行わない」といった内容が知られてきたことも一因かもしれません。特別な準備を必要としない、体験し慣れることに主眼を置いた授業にすぎないからというわけです。
 国の制度としてはこれでも画期的な一歩を踏み出すことになりますが、翻って我が子のことを考えてみていただきたいのです。比較的時間に余裕があり、親の影響下にある小学生時代までにどれだけの力をつけておいてやることができるのか。どれくらいの力があれば、その先学習もほとんど本人の意思まかせで自立して行うようになってからも安心と言えるのか。我が子の場合にどうなのか、が重要なことでしょう。
 そこで、当学院の現状に基づいて、子どもが小学生のうちにどこまでの英語力をつけられるものなのかのイメージをお伝えしておくことも無駄ではないと思います。個人毎に前提となる緒能力や家庭環境は異なりますので、長期的な視野で計画を立てる際のまずは参考とお考えください。
 10月に実施された英検では、(1年生から続いてきた)3年生クラスの生徒達が5級(中1終了相当)を受検しました。3年生全体では1月受験の生徒の方が多くなりそうですが、その前後に中1の教科書をさっと読む授業に入ります。いずれもギリギリの力ではなく、英文が読め、構文をほぼ理解して自分で文が作れる力を3年生のうちに身につけることができます。そこからは単文だけでなく長い文章が読み取れるようにしながら、過去形や未来形、不定詞などの学習を進めます。ネイティヴ講師との英語だけでのコミュニケーションも継続しますので、会話への対応力も確実に高まります。英検を評価基準とした見通しとしては、4〜5年生で4級(中2終了)、5〜6年生で3級(中3修了相当)となります。英検にない自分で綴りから書くことも行いますので、<読み書き聞き話す>の4領域で中学英語を高いレベルで身につけることができます。
 これは、普通の国語力があれば週1回50分のレッスンと通常のA4で2,3枚の宿題を普通にやって来ることで達成できるペースです。実際には、半数の方は中学入試の準備で英語学習を休まざるを得なくなっていますいますが、まとまった文章が読める中2レベルまで“固めて”あれば、1年程度のブランクは短期間で取り戻せます。つまり、中学校へ入る前に、文章が読め、基本的な英文なら自分で作れる力、さらに、相手の話すスピードで聞き取り意図を汲み取ることができる力を養成しておくことは、よほどのケースを除いて中学受験とも両立可能なのです。
 現在の小学2年生や1年生のクラスは、少し速い進度で進んでいますが、国語力や思考力(複合的概念を操作できる力)などの発達をみながら決して無理なツメコミでなく本物の実力を伸ばす方法にこだわって指導しています。また、小学校の途中から始められる方のクラスも、同様に国語力や思考力が高い分の利点を活かして速く進んで追いつけるように工夫されています。
 制度は変わりますが、我が子には1回限りのかけがえのない時間です。いつもお伝えしています『自己防衛の教育』のお手伝いができるよう、当学院もさらに努力して参ります。 
(2010.11.1)
17:02:07 | natalis | |