Archive for 01 September 2013

01 September

<Natalis Newsより> 親の「期待する能力」が試されている!

 あわただしく新学期が始まり、我が子の生活習慣の立て直しに追われている方も多いかもしれません。こちらには「こうでなければならない」という基準がありますから、とうしてもそこからの減点主義で子どもを見てしまいがちです。子育てとは、「毎回毎回言っているのに、どうしてできないの」という思いとの戦いのことと言えそうなほどです。
 だからこそ、こうして誰かが時々、見直しのきっかけになる言葉をお伝えしなければならないのかとも思います。十分ご存知の通り、子どもは自分なりに頑張っているはずですし、できないのには必ず理由があるはずなのです。生活習慣の乱れ、体調や心理的な理由、そもそも無理な計画等々、原因を探し出して一緒に解決するという姿勢を保つことが、子ども自身には出来ないだけに、大切になります。そして何より、「これだけできるようになった」「こんなふうに受けとめられる気持ちが育ってきている」といった成長を正しく把握して認めてあげたいものです。
 それでも、「なかなか変わってくれなくて...」という声も聞こえてきそうですね。毎日接しているし、つい基準を高くしがちなのでなかなか変化がわかりにくいのです。そこでもう一度<子どもの成長は、踊り場のある階段のようなもの>という見方を確認しておきましょう。小さな成長でも(階段の一段一段のように)一定の努力を続けてからようやくある時急にできるようになるもので、それが少し続いた後には、たいてい長いスランプのようななかなか伸びが見えない(踊り場のような)時期が訪れます。しかも、そうした階段と踊り場の数や長さは一人ひとり違う成長曲線に沿ったものなので、まわりの他の子と違うのは当たり前ですし、ましてや外から与えられた目標・計画にも簡単に一致することなどないはずです。そういうものだと思えるかどうか、でしょう。
 子どもの能力は大きなタンクのようなもので、それが一杯に満たされるまではあふれ出してこないし、タンクが大きければ大きいほど時間がかかるものだと考えるべきかもしれません。見えない器に日々貯まっていく金貨を「見て」あげながら待てる力、それを「期待する能力」と名付けましょう。そして今、試されているのは、私たち親の「期待する能力」なのかもしれません。

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