Archive for November 2006

01 November

いじめの時代に〜 我が子を守る、独立自尊の逞しい『個人』づくり

 またしてもいじめによる子どもの自殺という痛ましい事件が頻発しています。現代の子ども同士の世界の難しさも感じさせられますが、生徒を守る側の大人の責任逃れ体質をこう次々に見せられては、親として家庭としての自己防衛を考えずにはいられません。個々の事件の状況や背景は異なりますし、いじめは大人の社会にすら日常的に存在するものなので、事は結局、我が子が最低限どんな資質を備えた人間に育つように導くのかという問題になるのでしょう。
 独立自尊とは、言うまでもなく福沢諭吉の掲げた言葉です(慶応義塾「修身要領」には「心身の独立を全うし自から其身を尊重して人たるの品位を辱めざるもの、之を独立自尊の人と云う」とあります)。単に身を守るためだけではなく、人でも国でも、独立を維持して品位を高く保持して世界に貢献することができる独立自尊の人となるためには、何が必要なのでしょうか。
 私は、第一に「英知」を挙げたいと思います。判断力・洞察力、そしてそれを支える深い思考力と広い教養。もっともっと知性を高めることが、より強靱な安全保障に直結するはずです。次に、孤独への対応力、周囲に迎合せず独立独歩の道を選べる胆力。そのためには、自分の世界をしっかりと持っていることが必要です。家庭が本当に安息の砦となっているか、学校以外で自分で自分を磨く修養努力を続けている場があるか、そして、本を通じて古今の先達と対話ができる能力と習慣があるか、そんなことが必要条件として点検されるべきです。最後に、人とのつながりを大きな視野で感じられる力。これは「大きな愛情」と呼んでいるのですが、個々の人だけではなく自分を含めたあらゆる存在を慈しむ豊かな感性のことです。たっぷりと親からの愛情を受けて成功体験を重ねて自己肯定感を育むことが大切です。
 そして、これらすべての具体策は幼児期からの「言葉」の世界の構築に集約されます。小学生でもできることはたくさんあります!
18:07:00 | natalis | |