Archive for May 2008

04 May

中学生こそ! 3ヶ月で偏差値50が70ヘの秘密

 0歳からの幼児英会話から社会人対象のTOEICやビジネス英語まで、英語のすべての段階を学ぶ人にあわせて確実に上のレベルへと導くことができるのが、私たちのアリティス・メソッドの特長です。その中で、幼児・小学生の英会話を高度な学力へと発展させる部分と並んで大きな成果をあげているのが、中高生の(受験を意識した)英語です。 

 問題は、<中高生のほとんどが、英語の根幹の力を身につけていない>ということにつきると言えます。では、根幹の力とは何でしょうか。少し前に掲載した「抽象的思考力と言語能力」が重なり一体化する核のような部分ではありますが、その前に、お察しの通り、まずは「読解力」として現れるべき力です。
 今や国公立、私立を問わずほとんどの生徒の読解力が足りないと断言できますが、その読解力にもいくつかの段階と領域があります。例えば、超有名校を含む一部の私立校では、英語の「実用性」を追求して様々なアプローチを盛り込み、結果的に読解分野では表面的な情報の読み取りさえできればよい程度にとどまっています。そのため難問と競争率をクリアして高校から入学した生徒以外は大学以上で英語が苦手になっている現状があります。公立校のことはここで触れるまでもないでしょう。
 また、一般の塾はどうかというと、受験を意識する余りすぐに問題解法に向かってしまうきらいがあります。長文の中の出題部分の文法の練習にすり替えてしまったり、読解対策と称して様々な戦術やテクニックを教え込むわけですが、本当に文章を読み取る力がついていないままテクニックに走ればすぐに壁に突きあたることは自明のことです。
 
 では、どうすればよいのでしょうか。
 まずは、英語の基本構造の全体像を早くしっかりと持たせることです。この場合の基本構造とは、中学文法に仮定法や分詞構文などの高校文法の主な項目を加えたものとご理解ください。だいたいこのようなルールでほとんどの英文は作られているのだという範囲を知らせておくのです。この点で、『PROGRESS』や『TREASURE』のような中高一貫校向けの教科書は学習法を間違えると非常に効率を悪くしてしまうので注意が必要です。
 さてその上で、実際の文章の中で、文法や構文理解、語彙などの力が有機的に結びついて瞬時に活用される状態をつくれるかということになります。ここからは企業秘密となりますが(笑)、同じ文章を読んでいても一人ひとりの頭の中で起こっていることは大きく違っているのです。その子に応じたアドバイスを与えて理解を補完し、さらに弱点を強化していくトレーニングを加えていかなければ地力アップにはなりません。そのすべてを生きた意味のある英文で行ってこそ、上の段階での実用性にもつながるのです。さらに、単文の理解から文と文のつながりの理解へ、そして文脈把握から作者の提出している主題までを、立体的な概念として頭の中に再現(realize)できること、初見でそこまで届く読みができ、しかも同時に音声が内言化されて(頭の中で英語の音声が聞こえて)いる状態、つまり、日本語に訳しながら読んでいるのではなく英語のままでその理解に達している状態をつくることが、英語指導の核心となります。

 私たちのアリティス・メソッドでは、幼児・小学生レベルから、目の前のこの子の頭の中で今何が起こっているのか、どこまで理解できかけているのか、ということに常に想像力が届くよう一瞬一瞬を見逃さずに努めることが講師の基本姿勢とされています。すべて個別指導の中高生の場合にはなおさら真剣勝負となります。英語の初歩のところでつまずきかけている方も、どうぞ一度ご相談ください。中には、中3の夏休みからの正味2、3ヶ月の「駆け込み」で、偏差値が50から70へとジャンプ・アップしたような事例も毎年のように出ています。もちろん、「駆け込み」はお勧めしませんし、無理なものは無理とはっきり申し上げますが、英語は大学に入ってからも社会に出てからも使うものですから、決して遅すぎるということはないと思います。


00:01:00 | natalis | |

01 May

抽象的思考力と言語能力 <本当に「できる子」「伸びる子」になるために>

 英語であれ国語であれ、言語能力が大きく伸びていけるかどうかのポイントは抽象的な思考力の発展にかかっているといっても過言ではありません。
 その発展にも段階があり、例えば、はじめて文法的なルールを理解して新しい文に応用するような初級レベルから、直接それを指す言葉を使わないで何らかの複合的な事象を理解できるレベルといったように進んでいきます。そして最終的には、自分にとって未知の概念を言語のみによって立体的・総合的に理解できるところまで、言語と思考とはほとんど表裏の関係を成しながら高度化していくのです。
 ここでお伝えしたいのは、英語の力を早く確実に高めようと思ったら、抽象思考のできる力をまず母語である日本語で鍛えようということです。
 幼児であれば、覚えた物の名前を分類する「仲間集め」のようなところから始めます。数も抽象性を備えた別の言語体系と考えられますから、日常生活と数概念を結びつける活動や数唱・数書などの強化トレーニングは有効です。知っておきたいのは、子どもが能力を伸ばしていけるのは内部にすべてが詰まった「種」のようなものを持っているからではなくて、(1)すべては外部から与えられるのであり、(2)順々に、つまり、常に現在自分の持っている力の一歩先のことが獲得されていく、という発達上の法則です。だから、子どもをよく見て本当に必要なことを与える(させる)のが親の役割ということになります。
 小学校に入ると抽象性も高まり、いわゆる「書き言葉」での鍛練に中心が移ります。より高度な文を読み、書き写し、要約するような練習が大切になりますが、十分時間をとった「対話」あるいは「議論」も重要で不可欠です。実は、これらこそ現在の学校や家庭で大きく欠落している最たるものでしょう。
 例えば、一つの新しい言葉(漢字学習の延長で新出熟語からはじめてもよいでしょう)や概念を使って対話をします。その際、「本人が意識していて」「自在に使いこなせる」かに注意しながら、内容のある話を進めていくことが大切です。

 さらに、その次の段階もありますが、とても一度では書ききれないようです。もっと様々な具体策や、その先のために読書をどう「思考力」に結びつけていくのかといったことについても、今後教室で、あるいは当ブログ等でお伝えしていきたいと思います。 

    ☆私たちは国語力を大切にする英語スクールです!(2008.5.1)


16:35:22 | natalis | |