Archive for July 2009

01 July

<Natalis News>より もうすぐ夏休み 〜 家族で一緒に「これだけは覚えよう!」を

 毎年夏休みには「目標を決めて」と言われますが、具体的な目標を本人に立てさせる前に、今我が子にはどんな力を伸ばしてやることが必要なのかを考えておく必要があります。もちろん一人ひとり課題は異なるのですが、今回は、この時期に集中的にトレーニングすることで後々の大きな成果につながる「覚える」ことについてのヒントをお知らせしましょう。
 記憶力の大切さについては、ことあるごとにお伝えしている通りですので繰り返しません。世間で少しでも軽視する風潮があるとしたらとんでもない間違いで、スピードが要求されるコンピュータ時代だからこそ、多くの知識や考え方を自身の中に持ち的確な判断が下せる洞察力に優れた知性が求められるのです。
 さて、夏休みにこそテーマを決めて何かをまとめて覚えたいものです。就園前の幼児前期なら、ひらがな、カタカナ、1〜30までの数、アルファベット等を唱えられるように。また、お気に入りの図鑑などで動物や花など好きな物の名前を全部覚えるのもお勧めです。基本は「音」として口で言えるようにするわけですが、いつも同時に文字を見せながら行うことがポイントです。1つに対して1つの物で対応させることができるので、カードを作って様々に遊びながら覚えるのがコツ。
 就園児なら、上記のそれぞれに文字を対応させて、読みだけでなく書くことも。ひらがな、カタカナ、アルファベットは、小学入学前に書けるようにしておくのは当然ですし、数は千まで書いた経験を何度か持たせるのも有効です。年長さんなら、10までの数のたし算の組み合わせを全部覚えることにチャレンジしてみるのもよいでしょう。お受験のプログラムで百人一首を覚えさせたりするところがありますが、それは言語能力がもう一段高い小学生以降でこそ本当の意味で有効になります。格言やことわざなどの方がはるかに実効性が高いのでカルタなども活用してみましょう。
 年長から小1、2年生の頃は、何かにハマッて自発的に覚えることに夢中になる子が出てくる時期です。はじめはポケモンでもよいのですが、ただ同じようなものの種類をたくさん覚える段階から、類別、より複雑な構造や仕組み、そして、それぞれの関係性にまで理解を広げて覚えていくことが最も大事な点です。例えば、鉄道が大好きになった子は、路線毎に駅名を覚えることからはじめて時刻表で乗り換えを想定しながら仮想の旅ができるようになったり、電車と蒸気機関車の構造の仕組みを学んで大人顔負けの説明できるようになったりします。総合的な理解に到達する道筋ということを常に意識してアドバイスしてあげてください。小学低学年では、何であれ、このように全体を理解して覚えることが目安になり、高学年では、自分で調べて要約文を作って(=ここが重要です!)覚え、さらに、人に説明できるレベルまでを課題とします。歴史や科学の題材は最適です。
 小学生以上の英語では、身近な単語、人称代名詞と身につけてきた生徒は、品詞別にまとめて覚えることにも挑戦してほしいものです。英検で4級、3級と進んでいくと、読解力などの根幹の力の次には、結局は単語力が大きな差となってくるのです。ノート作りをはじめ、早くから自分なりの単語の覚え方を身につけるために、夏休みに目標を決め、ぜひ「達成したぞ!」という経験をもたせたいところです。その際に気をつけたいのは、必ず声に出して正しい発音とアクセントで覚えることです。そして、何も見ないで自分で言えるかどうかの確認をすること。覚えるというよりも「思い出す練習をする」気持ちで行いましょう。中高生は、単語ブック1冊とか1,000語とかの目標は必須ですし、受験生なら自分のノルマはわかっているはずです、ね。


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