Archive for August 2009

01 August

<NTALIS NEWS>より 算数で論理性を高め、知性の土台を完成させる!

 3月からの中学生の数学に続き、この夏からは小学生の算数教育も限定的ながら始めました。
 もともと算数・数学については、言語能力を中心に据えた私たちの能力開発プログラムを、もう一段高いレベルで完成させるために導入する予定でいました。それは、まず初歩の算数のレベルから「論理性」を鍛える方法として非常に有効であるばかりでなく、高く深い思考力を構築するために最も重要な段階の一つである「抽象化」や「統合・分解」といった「知的操作力」の発達を促進するのにも適しているからです。さらに、勉強力の前提となる集中力や速さと正確さを備えた処理能力の養成にも数の分野のドリル的な学習は確かに効果的なのです。中学受験の文章題のように、むしろ国語力の応用と検証として取り組むことで実質的な成果をあげられる部分も含め、国語と英語で言語能力と思考力を高めることを中心に置きながら、幼児期から算数、特に代数分野を計画的に学習することで、より容易に目標とする将来まで安心できる知性の土台を築き上げることができるようになります。
 では、幼児期からいくつかの段階での数理能力を高める働きかけについて書いてみましょう。乳幼児のうちは、数も言語体系の一部分で通常の言葉の働きかけと変わるところはありません。注意を向けているものを一緒に数えたり、お風呂で数を唱えたりすることを毎日できるだけ多く行います。物を数えるだけでなく、やがて数の並びを覚えて唱えられるようにすることをめざします。
 就園児になるころには、文字を書き始めるときにまず数字からはじめます。次にアルファベットやカタカナで、難しい平仮名は最後です。たくさん書けるようになると、十進法や数直線のイメージを持たせるために、10できれいに折り返して書ける算数ノートにどんどん数を書いていったり長い紙に0からずっと伸びていくように数字を書き続けさせたりするのもよいでしょう。毎日の練習として行うことが大切です。もちろん、食べ物を数えながら分類したり分けたりといった経験は意識的に多くさせるようにします。小学校入学までに、繰り上がり・繰り下がりを含む20までのたし算と引き算ができるようにしておきましょう。
 小学入学後は、計算に習熟することが大切です。なんとかできるというレベルでは先に進んでから必ず躓くことになります。学校の教科書や宿題プリントだけでは練習量が全く足りません。市販のドリルなどを利用する場合は、まず親が全力でやってみて、できた時間を目標にいつも時間を計って取り組むことがポイントです。そうして、四則計算が出そろう頃には、100までの数の様々な組み合わせや法則性などが感覚的になるまで理解されている状態をめざします。例えば、分数を学ぶ前でも、100の半分は50でその半分は25、80なら半分の半分は20とか、12や15の倍数が(「倍数」として習う前に)言えるとか、68という数を見たらあと32で100ができるといった補数の感覚、等々。
 文章題は、上で述べたように国語力の観点からも、解き方の過程をこそ重視します。問題文の整理から図示して式化するまでのそれぞれの過程で説明させるのも一法です。また、応用問題はわざといろいろな言い換えを行っているので、類題を集めて表現の違いや共通点に気づかせることも、解法以上に重要な場合があります。早期から読解力と説明スキルを高める練習を導入していければ中学入試の難問も思考力鍛練に最適な教材となります。以下後日。

02:39:22 | natalis | |