Archive for June 2011

01 June

<Natalis News>より 〜我が子の"確かな将来"のために〜 高校・大学受験と入学後について考えてみましょう!

 今回のこの文章は主に幼児・小学生の保護者の皆様に向けて書いています。
 震災から本格的に復興への道を歩み出すべきこの時期に政治が空回りしている状況を見るにつけ、ほんの10年後の将来でさえかつてない危うさに覆われている時代を生きていることを感じずにはいられません。ほんの2年前の世界恐慌の収束が見えてきた時ですら、経済や社会面での先行きの不透明感は増すばかりであったのに、現在はその時は想像もできなかった巨大なマイナス要素がつながり合って現前しています。そして、それでも我が子は日々成長し、やがてその嵐の世界の真っただ中へと一人で歩き出さなければなりません。その日は必ずやってくるのです。
 だからといって、焦って右往左往しながら直接的、即物的な対策ばかりに走るのは、教育においては諦めるのと並ぶ最悪手です。こんな時代だからこそ、将来のヴィジョンを確かに持ち、大事なことに的を絞った上で、腰を据えてしっかり時間をかけて取り組むべきです。特に、将来の姿を考える際に「確かなもの」「信じられるもの」は何なのかを一度徹底的に疑ってみることが必要ではないでしょうか。制度や組織について、電力・原発行政と東電の顛末は、教育においては例えば旧文部省の「ゆとり教育」の失敗も想起させますし、学校や学歴という組織やブランドも盲信するに足るようなものは何も無いと思われてきます。話が少し性急で乱暴かもしれませんが、我が子の将来を考える際の自己防衛の構えとして、変化していく社会に備える慎重さを強調したいのです。
 つまるところ、制度や組織に頼り過ぎない前提で、一方に我が子に身につけておいてほしい(させなければならない)能力や素養があり、他方それをどのような経路をたどって磨き育てていくかというのが問題です。具体的には、幼稚園、小学校受験から大学受験まで、様々なコース選択が可能ですが、それぞれに長所とリスクがあり、我が子の現状とあわせて検討していくことになります。そこで、まだ幼児・小学生であればこそ、目前の進路を決定する前に先の方、高校・大学受験や入学後のことを考えていただきたいのです。有名私立校であっても、高校から入ってくる生徒のレベルが高く、特に中学受験にない英語では差が大きくなり内部生が苦労しているような例も多々ありますし、次に大学に入る時も同様のことが起こっています。毎年、誰もがうらやむような学校から、決して勉強をサボっているわけではないのに「なんとか上にあがれるように」という切実な状況で駆け込んで来られるケースがあります。逆に、一貫校のメリットを活かして、例えば荻窪本校のK君のように、中3の今年の夏休みは学校派遣の短期留学に選ばれてオーストラリアで過すことが決まりますます英語の学習に力が入ってきた、というような例もあります。また、トップランクの大学入試を突破する力があれば、ある程度の英会話学習の経験があるか、その時点で少し準備をすればTOEIC730点(企業で海外派遣可能レベル)以上に達することができ就職にも有利になります。また、英語で直接専門書や論文を読んで授業に参加していけるかどうかが大学での学びの成否を決める必要条件ですし、本格的な留学のためのTOEFL試験のためにも必須の力です。
 震災で再確認できた、海外の人々との暖かいつながりをさらに豊穰なものに発展させていくことも彼らの大きな使命です。それに今から親子で備えると考えれば、少し明るい未来を見る想いがします。

01:19:00 | natalis | |