Archive for August 2012

01 August

<Natalis News>より 世界を見るチャンス!オリンピックをどう活かすか?

 酷暑の夏、寝苦しい夜に今年はオリンピックの中継もあり、寝不足気味の方も多いのではないでしょうか。熱中症でダウンしたといった話も聞かれますので、どうかくれぐれも体調管理にはお気をつけください。
 さて、そのオリンピックは子どもたちに普段はまず聞かないような名前の国も含め“世界”と出会う格好の機会を与えてくれます。既に活用されているとは思いますが、テレビを見ながらでもどんどんネットにアクセスして、生きた情報を取り込む経験を一緒に重ねたいものです。
 まずは知識を得ることですが、Google Map や Wikipedia などで概略を理解したら、興味をもった事柄を自分でどんどん検索して探り出していく楽しい作業の始まりです。漢字の読み方を教えたり、検索の方向などのヒントを与えれば、幼児でも自分で調べを進めることができます。気になることが次々に出てきて大きく脱線するのもまた楽しさの一部でしょう。そして、メモ程度でもよいので、大事だと思ったことを自分の言葉で要約して残しておければ、それ自体が非常に有意義な学習になります。やがて新聞やテーマ別ノートといった形でまとめることになれば、これはもう立派な「研究」の名に値する活動です。そして、保護者の皆様には、それぞれの段階で、思い切り蘊蓄を語ったり、クイズを出して関心を引き出したりして、知と言葉のレベルで大いにかかわり合いを深めるチャンスとして活用していただきたいと思います。
 もう一つオリンピックがわかりやすい材料を提供してくれるのが、一つのことを多面的に見る、すなわち、まったく違う考えやものの見方があることを知る経験です。今回は、一度出された判定が覆ったり訂正される場面が何度も起こっていますが、当事者やその国の反応だけでなく、第三者の意見などもネット内では自由に発表されていて、実に様々な見方や考え方があることに驚かされます。そして、「なぜそんなふうに考えるのだろう?」と疑問に思ったら、もう背後にある様々な相の「違い」を認識し理解する道を歩き始めています。それはまた、自分はどう思うのかを考えさせられる契機にもなり、言葉にして身近な人と話し合うことができればさらに大きな気づきが得られることでしょう。将来グローバルに活動することを考えるなら最も重要なことかもしれない経験が家に居ながらにして出来るのですから、利用しない手はありませんね。
 最後に、やはり英語です。せっかく英国で開催されているのですから、公式の発表などとともに英語のニュースにもチャレンジしてみたいものです。英語の学習がある程度以上進んでいるなら、ぜひ世界各国の英語ニュースを(見出しや写真の説明だけでも)読もうとしてみることです。日本のソースなら、『週刊ST(Student Times)』 や三大新聞の『○○ Weekly』などが比較的簡単で短く、初心者でも読みやすいでしょう。低学年の初級や幼児さんなら、映像や写真があれば、会場の案内表示などでも楽しめるものがあります。(実際、ある有名私立高校の今年の夏休みの課題は、英字新聞の記事を15本以上取りあげて、それぞれその要約や感想、Q&A等を全て英語でまとめて提出するというものでした。話題をオリンピックに限定してはいませんでしたが、分厚いノートができそうな課題はめざしているところがはっきり伝わってきて、さすがと思わせます。)
 いつもお伝えしています「家庭内文化が人を作る」という観点からも、この4年に1度のイベントをしっかり活用して、今の我が子の、世界に向ける目と意識を磨けるようにしたいものです。

02:14:38 | natalis | |