Archive for June 2013

01 June

<Natalis Newsより> 何歳でも、読書! 何を、どのように?

 いつも国語力の大切さを強調し続けている英語スクールとしましては、もっと読書と作文についてお話ししたいと思っています。長年、赤ちゃんから中高生や大学生まで関わっていて確信を持って言い切れるのは、読書が知性の全体や特に“土台”(基盤)の形成に非常に大きくかかわっているということです。それも後になるほど、つまり年齢が上がり内容も高度になればなるほど、そこからの「伸び」の違いを生み出す決め手になるのが読書の量と質の差だと感じられます。それは、成績上位の生徒が「あとひと伸び」を見せて確実に志望校に合格する場合も、学習習慣さえ怪しくて当然勉強嫌いといった典型的な下位クループの生徒が最後の最後に力を出し始めて予想以上の結果を出す場合にも共通した背景要素です。“底力の素”と言ってもよいでしょう。
 ここまでは当たり前のことかもしれませんが、では、何を・どう読む(読ませる)べきかという話になると急に難しくなってしまいます。読書は、もちろん、強制するものではなく、好きでのめり込んで読むからこそ力にもなるのです。けれど、そのレベルの本を読む力がないから手に取らないのだということも考えなければなりません。興味を持ちそうな良書に触れられるようにしてやること(これもたいへんなことですが)と同時に、読める力を養成する道筋を考え準備しておくのも親の役目でしょう。はじめは誰でもまったく読めないのですから。
 読み聞かせの本選びからはじめましょう。絵や内容、文のレベルや長さ、また、量や時間、等々のポイントは?赤ちゃんのときと2歳を過ぎてからでは当然読み聞かせのやり方も違ってくるはずです。やがて一人読みができるようにするためには、文字をどう習得させ、どのように読むことを教え、それが習慣化できるようにするのか。この段階にふさわしい、使いやすい題材は?
 一人で読み始めても、正しい読み方を身につけさせなければなりません。一字一句を正しく読めるようにする。一文単位で、段落で、また、全体で何を語っているのかが読み取れているか。絵に頼りすぎた内容把握になっていないか、文の内容を頭の中で映像化できているか、話の流れを記憶しながらたどれているか ..... そんなことを毎回チェックされたらすぐに本嫌いになってしまうでしょう。楽しく読みながら確認ができる親子読書や声かけの方法は?
 かなり読めるようになった年長から低学年の時期がまた非常に重要です。主語と述語と修飾語の関係を正確に読み取り、指示語も正しく理解して読める。漢字から熟語へ、具体的即物的な内容から抽象概念や明示し難い感情まで、3、4年生までに飛躍的に言葉の世界を広げていかなければなりません。また、この頃までに要約力の下地をだんだんと作り始める、つまり、内容の読解だけでなく、自分の言葉に直して言い換える力を指向して少しずつ蓄積を始めておく必要があります。
 その先は、書かれている概念毎に取り出し吟味し、著者と対話できる読み方へ。常識的な知識も増やしながら、論理性や分析的思考力を高めることも要求されます。一方で、思春期に近づき自分の読みたい分野の好みがはっきりしてくる時期に、論説文などの必要な読書の“幅”をどう確保するのかという問題も出てきます。塾などに通いはじめれば、実際の読解総合問題にどう対処していけばよいのか、また、ますます忙しくなるなかで効率よく力を伸ばす読書法、あるいは読書活用法も、切実に必要となってきます。
 これらはごく一部で、例えば、なかなか読書に向いてくれない子にはどうするか等々、他にもいくらでも出てきます。それらをすべて我が子本人の特性とその選ぶ進路にあわせて用いなければなりません。しかも、自主性なしに読書は成立しないのです!本当に大変なぶん、親としての醍醐味を十分味わえそうです。各々の詳細は個別にお話しましょう。ご相談をお待ちしています。

☆学院長による小〜中学生の国語個別指導枠、若干名あります(荻窪本校のみ)。

01:56:00 | natalis | |