Archive for 01 November 2014

01 November

<Natalis Newsより> 少し先のことを

人間の不安や失敗の多くは未来のことが予測できないために起こっています。だから、事故や自然現象の突発的なものにも予測可能な原因や予兆を求めようとしますし、株や為替に典型的なように、数分後のわずかな振れから数週間先の大きな流れの変化まで、政治も経済も含めた人間の営みの多くは実は未来予測の競争のような一面を持っています。先日も触れたビッグデータとシミュレーション科学の進展で大きく様相が変わるかもしれませんが、どこまで行っても完全な未来予知が可能なはずもなく、さらに詳細でより正確な予測を求め続けることになるだろうと、このくらいは自信を持って予想できそうです。
 一方で、人は普段の生活では未来を考えないようにする習性もあるように思われます。つきつめれば死という絶対的な終末から逃れることができないという事実は根源的な不安を引き起こさずにはおかないからでしょうし、日常生活上の些細な事柄の予測不可能性からも目をそらしていたいという欲求を常に感じています。大地震の可能性の話を毎日のようにしながらも誰も引っ越しの準備を始めない心理を自分の中にも確認できますね。このように未来に対して相反する態度をともに包蔵し使い分けながら、私たちは生きているのかもしれません。
 こんな話を持ち出しましたのは、長年教育という、子どもたちが将来に向けて成長していく手助けをする事業に携わり、特に、家庭教育の立場に立って、たいていの教育機関より長いスパンで一人の子どもを見ていこうとしているなかで、将来の予測という部分は、もっともっと語られなければならないと常々感じているからです。皆様はいかがでしょうか。我が子自身が、どんな人になるのか、と、これは客観的予測ではなく、深く関わりを持って(少なくとも必要な補助をしながら成長を促すダイナミックな相互的関係のなかで)一緒につくりあげて行くべきものでしょう。とすれば、我が子のために可能な未来予測とは、当然これからさき彼/彼女が出会い巻き込まれることになる環境がどんなものになるかという情報の獲得ということになります。
 10年先なら方向性くらいになるかもしれませんが、例えばオリンピックのように具体的な期日と目標が与えられれば、もう6年後に向けて計画を立てて走り始めている人達もいます。我が子についても、次の段階だけでなくそのもう少し先まで考えておきたいものです。学校等の教育機関が《この段階で何を教えるべきか》の論理に基づくものだとすれば、家庭では「こうありたいと思う将来のために今何をしておくか」と考えるべきですし、それを実行に移してやりきれた人が大きな成果を手にできることをずっと見てきたのです。
  ◇次に何が重要になるのか、話しましょう!(個人面談/電話相談受付中)
 特に、年長の方は、小学校での勉強のポイントや中学入試についての見通しまで、英語に限らず生活設計を含めた全体をまず把握しておくことが大切です。小6の方は、中学校で英語をどう伸ばせばその先の受験や将来までつながるのかを押さえておくかどうかが大きな差を生みます。他の学年の方も、家庭でしておくことや塾のこと等、何でもお気軽にご相談ください。

23:02:00 | natalis | |