Archive for 01 May 2016

01 May

<Natalis News>より コミュニケーション力と高度な学力を両立させる『根幹力』を

 聞く・話す・読む・書くの4技能全ての検定化をめざして英検(実用英語技能検定)が大きく変わり始めていることは当欄でもお伝えしてきましたが、身近なところでは今年度から4、5級にも独立したスピーキング試験が設けられることになります。従来は3級以上から一次試験合格者だけを対象に対面式で実施されていましたが、これは受験申込者全員がインターネット経由でパソコン、スマートフォン、タブレット端末などを使って1年以内のいつでも受けることができます。はじめから総合的な運用力をめざす上でよいきっかけとなるはずですので、今後受験される方は必ず受けるものと考えていただきたいと思います。
 一方、TOEICも今月からリーディング・リスニングの両面で問題の一部が変わることが発表されています。より自然で(going to → gonna のような省略した形や、Could you? のように一部分だけで使われる形など)、相手の暗示している意図を問うような問題が増えたり、リーディングでも複数名がやり取りする設定や、3つの関連する文書を読んで理解する設問等、より実際的な状況での高度な力までが試されることになります。
 どちらも当学院ではいつもお伝えしている「自分で英文を作れる力」「相手の意図を汲み取るコミュニケーション力」さらに「難解で、文脈理解力の必要な高度な長文も一読で理解できる力」を段階を踏まえて伸ばしていければ何の不安もない、というよりも歓迎すべき客観的検証法の進歩として受け取れるものです。
 検定試験業界だけでなく、大学入試改革の進展にあわせて高校と特に私立の小中学校も英語強化策を少しずつ打ち出し始めています。授業とは別に「基礎英語」などの聴講や、英検の受験=合格を強く推奨したりといった以前からあった「課題」の早期化が進んでいるようです。
 そこで(毎度の話ではありますが)一点だけお伝えしておきたいのは、根幹となる英語力を伸ばすことなしに表面的な対策で検定に合格したり会話的な表現をまる覚えしてもめざすべき高度な英語運用能力には届かない、ということです。学校に急かされ進んでいる級友に刺激されて中学文法も不確かなまま英検を準2級、2級と急ぎたがる中学生達は、例え高校修了相当とされる2級に合格しても中の上以上の私立高校の入試問題(ほとんどが長文読解の総合問題です)には全く歯が立ちません。短い時間の中で難解な長文を一読で文脈まで正確に理解し、その理解に基づいていつくかの英文に意味のある操作を自在に加えられる力が求められるからです。大学入試の2次試験までそのような試験が課されるのは、それがより高度な英語の運用力のために必要な「根幹の力」の測定になるからです。大学入試への流れがどんなに変わったとしても、東大も慶大も今の2次試験のレベルを下げるようなことは絶対にないと断言できます。現在の入試レベルは、その先の学びのために必要な前提の力に過ぎないからです。それならば、そこに向けた最も効率のよい道を(学校とは別の、個人個人の方略として)取るべきではないでしょうか。
 社会で求められている英語のコミュニケーション力を身につけることをめざし、そのためにこそ、ビジネスや大学教育で必要なレベルの「根幹力」も伸ばす道。私たちは、ただ最短距離の地図を提供するだけではなく、生まれてきた“我が子”がどの段階からでもその道をうまく進んで行けるように一緒に歩む同伴者として、ここにいます。いつでもお気軽にご相談ください。


01:10:00 | natalis | |