Archive for 19 June 2016

19 June

学院長のナタリス日記: 新しい講師、新しい関係づくり

 最近の当欄で新任のネイティヴ講師をご紹介していますが、この春からの講師の交替も順調に進めることができた手応えがあります。
 長く習っていた講師が替わるとなれば心配されるのも当然ではありますが、英語教育的見地からすれば、違う人の話す個性の異なる英語にも触れる方が、長期的に見てより大きな価値があるのも確かです。まして、コミュニケーション全体を問題にしていれば、新しい相手との関係の取り結びの段階こそ、願ってもない大いなる経験とまで言いたいところです。保護者の皆様には、普段から「(進級や曜日変更等で)1年くらいで先生が替わるのが理想ですよ」とお伝えしている所以です。

 さて、先日ネイティヴ講師の一人が所要で一週間休むことになり、代行の先生に来てもらったときのことです。MAPLEと呼んでいる2〜3歳児クラスの子供たちが、その場にあるものの色についての質問に、一人ひとりが、"Blue!""Red."などと答えているとだんだん"It's green."とか"Yellow and pink"などと競うように2語、3語のより長い英語で答えようとしてくるのにその場の皆が驚いていました。はじめての先生に対しても、もっと「伝えよう」とする意欲が旺盛なことと、それが英語の発話をレベルを押し上げる契機になっている点が素晴らしいのです。
 また、荻窪本校2号館の新しいEmi先生と1対1で振替レッスンを受けることになった年長のS君(彼も2〜3歳児クラスからの生徒です)の、最初の様子。教室に入って1対1だと知った彼は、いつもの元気いっぱいな姿はどこへやら、相当緊張して固まりそうになっていました。それでもレッスンが始まり、最初のあいさつの時には、先生の質問に1つひとつ考えながらしっかり答えていました。
 "What's your name?" - "My name is S...."
"How old are you?" - "I'm 5."
"How are you today?" - (少し考えて)"I'm good."
その後も"What animal do you like?" に対して、"I like ○○... and ○○." などと言葉を選んで文を作って話せているのでした。コミュニケーションの、「関係の取り結び」ということに焦点を当てて見ている当方としては、S君の1対1で逃げ場のないなかでなんとか踏ん張って言葉を探して相手の意図に応えようとしている(しかも正確にできている!)姿に感動を覚えずにはいられませんでした。
 新しい出会いの場面でこそ、意欲や姿勢を含んだコミュニケーションの力が試されることになります。講師が交替して2ヶ月半ですが、むしろ交替をきっかけに生徒たちが一段高いところに上ることができたのを確認できたうれしい事例でした。





00:05:00 | natalis | |