Archive for November 2012

01 November

<Natalis Newsより> 全ての土台、国語力。幼児〜小学校までで決まる!?

 ここしばらく、幼児〜小学生の保護者の方から、「中学受験やその先を考えて」国語についてのご質問をいくつか続けていただきました。皆さん国語力の重要性を十分理解されてのことですが、問題の中心は、やはり<どうやったら伸ばせるのか><どんな力がどの位のレベルまで必要なのか>ということに尽きるようです。
 生まれてきた子どもたちは、様々な環境と経路(進路)をとって成長していきますが、すべての思考力の土台となる国語力の到達すべき最初の目標は同じだと考えています。親の立場からみて、それは、我が子が教養ある自立した人間として完成すべく自ら学んでいけるようになる前提の能力だからです。常々お伝えしている目安は、《12歳=小学生のうちに大人向けの教養書が読めて自分の言葉で議論ができる》というものです。有名私立中学校が昔から求めてきた能力もそこにあります。しかし、実際には、公立も私立もほとんどの小学校では目標にすらできていないというのが現実です。そのため受験塾の傾向と対策型の授業でなんとかテストで点が取れるように「仕上げ」ようとすることになります。大切なことは、まず家庭の言語環境を見直し、早期からのはたらきかけを工夫して、我が子に安心できる国語力を保証してやることではないでしょうか。
 では、誕生からそこまでの、途中段階の目安とポイントをおさらいしておきましょう。
(1)しゃべり出しの時期は関係ない/出てくる言葉より<どれだけ理解しているか>に注意
・読み聞かせと語りかけを出来る限りたくさん行って、何でも言葉を通して伝え合うのだということを早く理解させま
 す。ぐずるような時でも話して聞かせれば待てるといった状態が目標です。語りかけは、本人が注意を向けているも
 のについて実況中継のようにたっぷり言葉を使って!
(2)幼稚園の間に、一人読みができ、一文字も間違えない正確な音読ができるように
・少なくとも年少からは文字の読みを始めますが、書く訓練は集中力や持続力の養成にも効果的なので、早くからお絵
 描きなど机について遊ぶ習慣をつけて、ゆっくり楽しく導入します。
・ひとり読みまでにはたいへん時間がかかります。一緒にまたは交互に読んだりして徐々に読めるようにしましょう。
 読めるようになってからもまだ読み聞かせは重要です。
・音読で正確に読んでいるかを確認し、あらすじを言わせて全体を理解する習慣をつけます。
(3)小学低学年:教科書より難しい文章が読め/段落単位と全体の要約ができる力を目標に
・あらすじから要約へと進めます。いきなり全体は難しいので段落単位から行います。そのとき、2、3年生なら小見
 出し作りで文の構成についても理解するようにしましょう。
・単なる漢字の書き取りから熟語の理解と使用を中心にしていきます。辞書引きも習慣化し、熟語を訓読みで分解して
 意味を説明できるようにしていきます。
・読書が好きでも安心はできません。内容理解や、自分の言葉で語れるように咀嚼しているか、を確認しましょう。説
 明的文章の本も読んでいるかに注意→子ども新聞なども有効です。
・主語と述語に注意して、先にメモで設計をした上で文章を書く練習をします。3年生の終わりには、原稿用紙3枚=
 1200字程度の構成のしっかりした文章が書けることを目標に。

小3の後半〜小4からは、本格的に論理性と人間感情の理解に表現技法と文法も加えていきます。
(続きと詳細は、また後日お伝えしたいと思います。ご質問、ご相談はお気軽に 荻窪本校 TEL03-3392-7733 まで。)
22:31:29 | natalis | |