Archive for August 2006

01 August

12歳までに新書・文庫本が読めて議論ができるように

 次期学習指導要領では、国語力、特に、論理的思考力の養成に重点が置かれることが、最近再び報道されています。当学院では、設立以来、「言葉が知性を創る」を合言葉に、国語力の大切さをお伝えして参りました。すべての知的活動の土台は言語能力にあり、母国語での思考力の深さと広がりこそが決定的な要因となるのです。外国語である英語の習得においても例外ではありませんし、年齢的にも0歳から中高生まで変わることなく最も重要な課題とも言えるでしょう。 
 さて、このことについては、幼児の特別な才能開発事例を研究し、最難関中学を受験する生徒の国語や中高生の論文を指導し、また、英語で作家だけでなく哲学者や科学者の書いた原文を一緒に読み解く経験を重ねてきたなかで、ある確信を持っています。それは、一定レベル以上の高度な内容になると、国語、英語にかかわらず、言葉の力が思考力に昇華し、深い思考が再び言葉に還ってそれを鍛え拡張していく相互作用が現れ、それこそが真に優秀な頭脳を創り上げる「現場」であるということです。また、そこでの能力差の源は、幼児期から小学低学年までの間の言語能力の差に求められるということも。
 十分な紙面がありませんが、家庭教育としてもっとも大切なことは、(1)年齢にかかわらず、なんとしても思考力につながる高度なレベルまでをめざすこと。
 そして具体的には、
(2)少なくとも小学校のうちに大人向けの知的な本が読めて、自分の言葉でその内容が伝えられるようにしておくこと、です。
 そのために、乳児期からの読み聞かせや語りかけから話し合いの仕方まで、「勉強」以外でもできることはたくさんあります。当方も、これからもっとその面を強調して参りたいと思っています。
17:27:00 | natalis | |