Complete text -- "戻ってきてくれる 春!"

02 March

戻ってきてくれる 春!

 陽光に力強さが戻ってきて、いよいよ本格的に春の到来が感じられるようになってきました。と、同時に懐かしい生徒さんたちからうれしい報告が聞かれる季節となり、今年もたくさんの再会があります。

 名門私立や国立の小学校に入学された方々や、難関中学校に挑んで1年、2年ぶりの復帰となった皆さん、合格をお慶び申し上げます。また、入学してからが大事であることを認識して、早速新たなチャレンジを始められることに敬意を表します。

 英検5級はラクラクというところで急に忙しくなってお休みに入ったMさんは1年半ぶりでしたが、3回目の個別指導で中1の終わりまで、英検ではなく「中学生レベルで」つまり読み書き、書き換えまで含めて終われそうです。アリティス・メソッドの“光速音読法”で読んでいるとどんどん思い出してしています。4月の入学までに中2終了までは大丈夫です。

 お兄さんに続いて超難関校に合格したIさんは、2年前に休会する前に英検4級まで進んでいたので、これから2時間の個別指導を週1回+春休みに少し追加すれば、入学前に中3終了まで可能です。進学校の“PROGRESS”や“TRESURE”などのテキストによる授業は、余裕がないと細かい文法にとらわれて迷路に入ってしまいなかなか伸びなくなる例が多いくなります。それを多くの塾では問題解法型の授業でこなそうとするので、時間と労力の割には英語力の根幹が伸びて行かないのです。

 私たち“アリティス・ウェイ”のこだわる英語力の「根幹」とは、英語で正確に情報が取れる力でも、単に読解力というのでもなく、英語で書かれた自分にとって未知の概念や思想をそのまま読み取り理解する、すなわち、英語で直接書き手の思想思念を自分の中に再構築できる力なのです。もちろんそれには、ただ「受け取る力」だけでなく、自分の中に身についていて発信できる操作能力が不可欠になります。その鍛錬が結果的にリスニングや会話力にも直結するのです。中2で高校文法の大概を終え、中3のうちにはセンター試験で8割以上の点数がとれるまでの自力をつけておくことを目標にするのも、そこからが真の英語力へ至るもっとも重要なステップとなるからなのです。

 とはいえ、もちろん一人ひとりの方向と目標はそれぞれであってよいと考えています。人は、押しつけではなく自分自身の学びを歩んでいくべきだというのが、“アリティス・ウェイ”の第一の原則です。 Welcome back to Natalis!  全力で皆さんの未来に向けた努力をサポートします。




 以下余談です。
 以前に福澤諭吉の仕事について言及したことがありました。福澤をはじめとする幕末から明治期の知の開拓者たちは、現代に比べればほんのわずかな手がかりしか持たずに洋行し、また原書にあたりして、あらゆる分野にわたる未知の文物、制度、思想、概念を翻訳したり導入したりしました。福澤や西周、中江兆民、加藤弘之といった人々の仕事をみれば、未知の概念の本質を完全に理解し、そればかりか日本や日本語、日本文化の独自性や彼我の差異までを見抜き洞察して、それを表すために多くの新しい日本語を創り出しながら取り込んでいったことがわかります。日本語だけでなく英語や独仏語などの力が未知の概念を構造的かつ批判的に把握できるレベルに達していたからこその達成だと言えましょう。
 インターネットその他で情報を早く正確に取ったり、用件を的確に伝えられることが実用的な英語として必要十分だというのは、浅薄な議論です。実際に英語を使って生きた人間を相手に、例えばビジネスをしようと思えば、様々な意図と思惑を含んだメール一通を書くのにどれだけ相手の気持ちを想像し自分の言葉で新たな契機となる何かを創り出さねばならないか、少しでも経験のある人ならわかることです。
 実際、一例を挙げるなら、東京大学の英語試験の最初の要約問題が要求している力は、情報のやり取りレベルを超えた、上記のような概念理解のレベルへの準備(日本語力を含めた)だとも言えるでしょう。



04:02:54 | natalis | |
Comments
コメントがありません
Add Comments
:

:

トラックバック
DISALLOWED (TrackBack)