Complete text -- "抽象的思考力と言語能力 <本当に「できる子」「伸びる子」になるために>"

01 May

抽象的思考力と言語能力 <本当に「できる子」「伸びる子」になるために>

 英語であれ国語であれ、言語能力が大きく伸びていけるかどうかのポイントは抽象的な思考力の発展にかかっているといっても過言ではありません。
 その発展にも段階があり、例えば、はじめて文法的なルールを理解して新しい文に応用するような初級レベルから、直接それを指す言葉を使わないで何らかの複合的な事象を理解できるレベルといったように進んでいきます。そして最終的には、自分にとって未知の概念を言語のみによって立体的・総合的に理解できるところまで、言語と思考とはほとんど表裏の関係を成しながら高度化していくのです。
 ここでお伝えしたいのは、英語の力を早く確実に高めようと思ったら、抽象思考のできる力をまず母語である日本語で鍛えようということです。
 幼児であれば、覚えた物の名前を分類する「仲間集め」のようなところから始めます。数も抽象性を備えた別の言語体系と考えられますから、日常生活と数概念を結びつける活動や数唱・数書などの強化トレーニングは有効です。知っておきたいのは、子どもが能力を伸ばしていけるのは内部にすべてが詰まった「種」のようなものを持っているからではなくて、(1)すべては外部から与えられるのであり、(2)順々に、つまり、常に現在自分の持っている力の一歩先のことが獲得されていく、という発達上の法則です。だから、子どもをよく見て本当に必要なことを与える(させる)のが親の役割ということになります。
 小学校に入ると抽象性も高まり、いわゆる「書き言葉」での鍛練に中心が移ります。より高度な文を読み、書き写し、要約するような練習が大切になりますが、十分時間をとった「対話」あるいは「議論」も重要で不可欠です。実は、これらこそ現在の学校や家庭で大きく欠落している最たるものでしょう。
 例えば、一つの新しい言葉(漢字学習の延長で新出熟語からはじめてもよいでしょう)や概念を使って対話をします。その際、「本人が意識していて」「自在に使いこなせる」かに注意しながら、内容のある話を進めていくことが大切です。

 さらに、その次の段階もありますが、とても一度では書ききれないようです。もっと様々な具体策や、その先のために読書をどう「思考力」に結びつけていくのかといったことについても、今後教室で、あるいは当ブログ等でお伝えしていきたいと思います。 

    ☆私たちは国語力を大切にする英語スクールです!(2008.5.1)


16:35:22 | natalis | |
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