Complete text -- "<Natalis Newsより> 夢の扉を開けるのは"

01 March

<Natalis Newsより> 夢の扉を開けるのは

 また1年が過ぎ、3月を迎える度に身の引き締まる思いがするのは同じでも、2年の月日は時の流れに大小の波やうねりがあることを教えてくれます。しかしながら、あの70年前の戦争のことを今また思い出す必要がますます高まっているように、被災地・被災者のことだけでなく、あの時実際に感じ、経験したことのなかには、少し時を経た今こそ総括し直して伝えていくべきことが多々ありそうです。少なくとも、我が子と、確認し共有しておくべきことは。
 さて、春は力強い再生の季節であるとともに新たな挑戦、出発の季節でもあります。今年の受験生で第一報を運んでくれたのは、東京芸大付属音楽高校に合格したYさんでした。様々な楽器のすべてをあわせて40名しか入学を許されない最難関の音楽高校は、国立だけに英数国の試験も重要なのですが、復会から1年程で、苦手になっていた英語も文法知識に穴が無く長文も読みこなせるまでになってくれていました。
 小学生の時から数年ぶりに再会した時は、毎年のコンクール出場のため充分な勉強時間がとれずかなり英語が苦手になってきたということでした。毎日何時間ぐらい楽器の練習をするのかを尋ねた時、困ったように「わかりません」という答が返ってきたのを覚えています。帰宅後、食事や睡眠などの時間以外はずっと弾き続けているから、ということだったのです。
 そんな彼女の目標は、海外の一流オーケストラの団員になって世界中で演奏することです。大きな夢を持ったら、それはやはり世界サイズなのです。そして、今まで以上に厳しい練習と勉強が待っているわけですが、英語もまた一歩、現実に使える高度なものにする必要性が高まっています。 合格が決まったその週から目を輝かせて英語に取り組んでくれている彼女の姿は、この仕事の喜びを再確認させてくれました。そして、思うのです、時が容赦なく与える大小の波やうねりに翻弄されることなく、自分を見失わずに目指す場所へと進んでいくためには、ただただ日々の努力を積み重ねることしかないのだ、と。高校入学後も英語を続けると言ってくれているYさんをはじめ、新たなチャレンジを始める人たちを最大限の力で応援していきたいと思います。

20:32:45 | natalis | |
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