Complete text -- "<Natalis Newsより> 旅立ちと再会と そして、前へ進み続けること"

01 April

<Natalis Newsより> 旅立ちと再会と そして、前へ進み続けること

 俵万智さんの歌に、

 さくらさくらさくら咲き初め咲き終わりなにもなかったような公園

という秀作がありますが、今年は特にあっという間に咲き、季節の移ろいが「切り替わり」くらいに速くなっていることを感じさせます。「なにもなかったような公園」の部分は、昔の歌人なら寂寥感だけを際立たせるところ、彼女ならではの明るさが救いとなって、時の速さを受けとめながら自らも進んで行こうとする姿勢が前提にあるように感じられますが、いかがでしょうか。

 さて、新学期。受験生と呼ばれた生徒たちもそれぞれの道へと出発の準備を整え、嬉しくも寂しくもある見送りが続きます。
 苦手だった英語を克服して本命の慶應義塾大学経済学部へ行くS君は、次はTOEICの勉強とも話していましたが、ずっと言い続けた在学中の留学のことをどう考えてくれるでしょうか。
 連続している都立西高への入学を今年も途切れさせずに行ってくれるKさんは、早速に英語学習の再開の連絡をくれ「入試の本番でも、英語だけは最後まで余裕が持てた」と語ってくれました。例年の西高(または同等レベル)の合格者たちと同じ進み方を余裕を持って達成していたので、最後は見守るだけの当方も安心していられました。
 同じような進度で実力をつけていても、Aさんは、部活の大会への出場を決めて自らの意志で志望校を偏差値60台の都立高にしました。進路指導の先生たちが西高などに太鼓判を押してくれても意志は固く、冬休みまで部活に全力投球して結果を出し、堂々と自分の道を進みます。ちなみに入試の英語は100点満点だったと教えてもらったとのこと。彼女なら、この先は自分で切り開いて行けることでしょう。
 今年もICUに合格して続いてくれたOさんは、何冊もの過去問題集をわざわざ持参してくれました。彼らのおかげで目標とすべき進度の正確さが一層高まってきています。
 そして、筑波大付属駒場高に入学するT君からの英語を再開したいとの連絡も、急に人見知りが激しくなって続けられなくなったYさんが小学入学を機に戻ってきてくれたことも、新しい多くの出会いとともに、同じように人の成長に寄り添うことのできる喜びをもたらしてくれます。

 一方で、そのT君からも自民党の教育再生実行本部が総理への第1次提言案に盛り込もうとしているTOEFLの大学受験と卒業要件への導入の話題が出てきました。TOEFLの内容や中高生の英語力の現状を知っている者からすれば、全大学の入試に一律採用するのは明らかに無理があります。しかし、小学校でお遊び程度の英語を必修化しても何の効果も得られないことがわかってきたら、英語教育の出口である大学入試や卒業要件の方から変える方に向かうのは、必然ではあります。この先の国民の英語力も、あらゆる分野の動きに参画して主体となって世界を動かしていく力も、このままでよいはずはありませんし、時代の要請はさらに速度を上げてくることでしょう。個人のレベルでも、今の基準で将来まで見通せるとは誰にも言えないのです。進み続けること、ますます加速する“世界時間”に負けずに前進すること。進級、進学して新しい世界で挑戦を始める子どもたちを見守りながら、私たちも自ら革新を続けなければならないと感じています。
 今年度から新教材を導入しましたが、目標進度もさらに引き上げるように準備しています。
 

00:01:00 | natalis | |
Comments
コメントがありません
Add Comments
:

:

トラックバック
DISALLOWED (TrackBack)