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01 May

<Natalis Newsより> 見えてきた英語教育改革

 2020年の東京オリンピック・パラリンピックという、わかり易い目標ができたおかげで、英語教育改革の議論が進んでいます。先頃、幹部会議の一部を英語で行うと報じられた(日経新聞)文部科学省では2月から毎月『英語教育の在り方に関する有識者会議』を開き、基本方針固めの議論を始めています。
 その有識者会議でも基礎資料の1つとされている、昨年12月に発表された「グローバル化に対応した英語教育改革実施計画」を教室に掲示しておきますが、お子様に関係しそうな主な内容は以下の通りです。
(1)小学校:現在5,6年生が対象の活動型英語を中学年から開始し、高学年では読み書きも含めた教科として実施する(週3回+モジュールと呼ばれる短い活動や練習の案あり)。
(2)中学校:高校で始まった「全部英語で行う授業」を前倒しで実施する。
(3)高 校:「英語話者とある程度流暢にやり取りができる能力」をめざして、英語で授業を行うだけでなく言語活動を高度化(発表・討論・交渉等)させる。
(4)到達目標:高校卒業段階で、英検2級〜準1級、TOEFL iBT57点以上等。
 特に、英検やTOEFLなどの外部検定試験を利用して生徒の英語力を検証することと、大学入試にもそれらを活用することが盛り込まれていて、以前お知らせしました大学入試改革の流れと合わせ、2020年に向けて大きく変わっていく方向が固まりつつあるようです。(ちなみに、学習指導要領の改訂発表が2016年、18年度から段階的に実施し始めて20年度から全面移行となる予定ですから、5年後には大きな変化が始まるということになります。)
 ところで、上記有識者会議の委員には、小中高校長らの他に楽天の三木谷浩史社長やテレビや参考書でもおなじみの安河内哲也氏などの名前もあり、座長は上智大学の吉田研作教授です。吉田先生にはその昔たいへんお世話になった時期がありました。教材制作の助言や最新の応用言語学(英語教授法)の理論から日本の英語教育のあるべき方向まで、毎月四谷の研究室で様々なお話をうかがうことができ、それは現在の当学院の方針や方法論の基礎となっています。なんとか自分なりの実践の形を創り出したいと模索していた頃で、専門外ながらCumminsやBakerらのバイリンガリズムについての質問や思いつきについて丁寧にお答えいただいたことを覚えています。たしか小渕内閣の時代にも同様の英語教育改革のための諮問委員として活躍されていたと記憶していますが、長きにわたり日本の英語教育の将来のために尽力されてきた吉田先生が「(今回の論議は)前回とは切迫感が違う」と話されていたというような報道をどこかで見ました。いよいよ待ったなしの大変革が本当に始まることになりそうです。
 新学期も一月たっただけですが、忙しく日々のことに追われながらも5年後には確実にやってくる誰も経験したことのない変化に備えることも親として怠るわけにはいきません。常々お話ししていますように、最小限の時間と労力で上記の目標以上の英語の運用力を高めておくことは自信をもって承れるだけの実績もできてきましたが、それには長く続けていただくことと、年齢が低いほど国語力の養成にも力を入れることが重要になってくるという2点は再度強調させていただきたいと思います。幼児/低学年の時期に国語力を伸ばすためのお手伝いももっと多くの方にご利用いただけるような形で始めたいと考えていますので、ご期待ください。

20:49:00 | natalis | |
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