Complete text -- "この国は、どこへ向かおうとしているのか。そのとき、我が子は?"

03 May

この国は、どこへ向かおうとしているのか。そのとき、我が子は?

 今年の憲法記念日は、例年にも増して、憲法改正に関する議論が盛り上がりを見せています。いや本当に盛り上がっていると言えるのかどうか。投票率の低いことが話題にもならない国政選挙と同じく、全ての国民が争点を精緻に理解し、真剣に議論を尽くしているとは、とうてい言えないような状況ではあります。
 もちろん、教育に携わる者として政治的な立場は完全に排除していますが、憲法をはじめとして一国の在り方を決めるような大きな議論は、そのまま、我が子やその子どもなど、将来を担う世代へ何を残し何を伝えるのかという点で教育と同じ重さを持っています。そして、環境問題や様々な民族・宗教対立による紛争、国際社会での立場など、多くの要因が錯綜していて、人類全体ともどもこの国も大きく揺れていることの現れではあるでしょう。
 これは私たち今の大人の課題ですが、子どもたちにとっても間違いなく直面する大きな課題であり試練となるはずです。その時、我が子はどのような選択をするのでしょう。どんな行動がとれる人間となっているでしょうか。教育の目的とは、極言すれば、大きな選択の場面に向かい合ったときに人間としての責任を背負って最善を尽くした判断と行動ができる人となる手助けをすることと言えるかもしれません。何か大きな組織や権力に簡単に洗脳され利用されるような存在とならないだけでなく、さらに創造的に貢献できる人づくりといってもよいでしょう。その意味で、我が子には絶対的に(他人との比較ではなく)高度な知性を持たせなければなりません。それが親の責任でもあると思います。情報に振り回されるのではなく、広く世界にアンテナをはり、グローバルな視野で複眼的な理解に基づいた判断ができる「大きな個人」ということを、我が子について本気で考える必要があります。微力ながらももっと貢献できるようにと、心新たにする5月3日です。

19:41:00 | natalis | |
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