Archive for April 2009

01 April

<NATALIS Newsから> コミュニケーション力を伸ばす、とは!?

 進級進学、おめでとうございます。まだ入園前の幼児さんも花の便りに合わせて一回り成長するように感じられる季節ですね。誰でもそうですが、新しい環境に入っていく時はいくつになっても大きな緊張を強いられるものです。そして、それは、「周囲の人たちと上手くやっていけるだろうか」と主にコミュニケーションについての心配であることが多いようです。
 さて、英語/英会話を学ばせるに当たって「コミュニケーション力を身につけてほしい」とよく言われますが、どんな力を想定されているのでしょうか。「誰とでも臆することなく積極的に話ができる」「自分の考えをきちんと表現して伝えられる」そんなお答えがかえってきます。が、実はもっと掘り下げてお聞きしてみますと、積極的で社交的であるという性格の問題や、相手が外国の人でも、大勢であっても堂々と渡り合える、といった度胸や態度であったり、あるいは、自己表現力や相手を説得できるプレゼンテーション力といった言葉が出てくることもあります。もちろん、それらには技術が必要ですから、その技術を身につけしっかり磨くことが大切です。そして、鍛え上げて知識と経験まで備えれば、上記のどの力も人生の様々なステージで大きな武器となることでしょう。
 ただし、1点だけ注意すべきこと、そして多くの方が意識されていないことがあります。それは幼児や小学生に求めるコミュニケーション力はまだ上記のいずれでもない、ということです。
 とても恥ずかしがり屋のお子さんは、コミュニケーション力が足りないのですぐになんとかして矯正しなければいけないでしょうか。先生の質問に真っ先に反応して自分のことを大きな声でたくさん話す子どもがいるものですが、それは目標とする自己表現力に近いものでしょうか。
 どの子も成長と鍛練の途上にあるので、性格や表現意欲などについては長い目で見るべきです。(特に、「英会話を習っているんだから、積極的に自分の意見をどんどんしゃべれなければ意味がない」などというのは大人の勝手な思い込みです!)その上で、幼児・児童期にもっとも大切なコミュニケーションの力とは、言語の論理的明晰性、つまり、まずは日常的な対話場面において正確に会話を進められる力だと考えます。
 例えば、「新しいプリキュア好き?」「でもね、ポケモンの方が好き」とか、「昨日のお花見どうだった?」「ビミョウ。」で終わってしまう会話ではなく、お互いに自分の言いたいこと(論点や意図)を正確に伝え、また汲み取る言葉の使用ができるようにすることです。それは、家庭内で使われる言葉をコントロールすることと、この点に意識的な、手本となる外部の大人との対話によって養われます。子どもの言語環境と、そこで積み重ねられる経験が重要なのです。英語という外国語を正確に身につけようと入念に計画された対話式の学習もまた、その意味で効果的です。
 当学院のレッスンでは、もちろん、挨拶からはじまって様々なコミュニケーションの姿勢まで指導の範囲に含めています。実質的な運用力まで養成しようとしているのですから当然です。しかし、コミュニケーション力の各要素にも目を配りながらも、日本語と英語を総合してその子の総体的な発達にあわせる視点をもって対応することが必要だということを改めて強調しておきたいと思います。
 
00:31:55 | natalis | |