01 January

<Natalis News>より  ー 小学校の必修英語元年! ー でもポイントは中学校以降です!

 政治的にはますます混迷の度を深めている状況で新年を迎えましたが、中長期的な国づくりは、教育をその中心に置いて進められるべきとの立場で注視して参りたいと思います。
 さて、その教育施策の大きな目玉である小学校での英語の必修化が今年四月から完全実施されます。これは、ご存知の通り、公立小学校の5、6年生が週に1時間(年間35時間)の「外国語活動」を“必修”として受けるようになるというものです。新学習指導要領では、「体験的に理解を深め、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成」が目的として謳われ、「慣れ親しませる」ことで「コミュニケーション能力の素地」を養うことになっています。そのため、既報の通り文字や文法は教えず、習熟度を評価することもありません。(ただし、積極的に活動に参加したか、といった評価項目はあると思われます、念のため。)
 
  実は、中学・高校がどう変わるのか、が大事!?
 実際の授業は既にほとんどの小学校で実施されていますので、別段不安もなく特に準備も考えていないという保護者の方が大半のようです。ただ、この件で大事なのは、むしろ24/25年度からの中学/高校の指導要領の改訂の方なのです。平成24年度から完全実施となる中学校では、英語の授業時間が週1時間増え(中3までの3年間で今までの約1学年分の授業数が増加)、例えば指導する語彙も900語から1200語へと増えます。そして25年度からの高校では、「授業は英語で行うことを基本とする」と明記されています。小学校で2年間の助走をつけて、中学校では内容を一気に高度化し、高校ではもちろん従来からレベルを下げずにさらにコミュニケーションを重視した習熟度評価が加わることになるのです。この国の将来を支える人材の国際化の基盤を強化するための、まだ生温いとはいえ、壮大な計画の第一歩が小学校英語の必修化であるわけです。
 いわゆる「ゆとり教育」が始まる前の教科書でも、3年間で1000〜1100語程度の掲載語彙数でしたので、単語数の面だけでも今回の力の入りようがわかりますが、小学校のお遊び英語と週1時間の授業時間増でどこまで中学生たちが英語力を伸ばせるのか、我が子にかかる負担を今から考えておいてやる必要があります。というのも、授業内容の増加は当然高校大学入試に反映されると考えられます。そしていつもお伝えしていますように、英語が入試の結果を左右する最も中心的な教科であることは、今後も変わらないと予測されるからです。
 要は、いつの段階でも余裕のある英語力を身につけ、そのまま大学や社会に出ても英語を使ってグローバルに活動できるようにすると強い明確な意志を持つことです。それは目標というより必須の要件とも言える、我が子の「安全保障の教育」の守備範囲でなければならないでしょう。

  低学年で英検5級なら、小学生のうちに英検3級(中3終了相当)合格は十分可能
 昨年の当学院の英検実績では、3年生クラスの平均進度が、学年末までに英検5級と中1教科書読了レベルに達する見通しとなってきました。毎週1回のレッスンの中で必ずネイティヴ講師との少人数の会話を経験しながら、中学生向けに作られたテストでも力を発揮できる総合力を低学年から楽に身につけているのです。中高学年入会者のクラスでは1年余りでそこに達することもできています。ナタリス・メソッドでコミュニケーション力も高度な読解力も身につけて中学校の英語を習得した子どもたちなら、指導要領の改訂といった外部要因に影響されない確かな歩みを続けてくれるはずです。指導法上も今年のさらなる前進をお約束致します。
(2011.1.1)
15:24:00 | natalis | |

01 November

<Natalis News>より ー 小学校英語必修化を前に ー 子どもの英語力の可能性は?

 小学校への英語の正科導入(必修化)がいよいよ来年度となりましたが、既に多くの小学校でも何らかの英語授業が実施されていることもあり、あまり話題も盛り上がらずにその時を迎えようとしているかのようです。それは、5・6年生の2年間で学習することが、体験的な初歩のコミュニケーション活動に限定され、「文字や単語は音声の補助として扱う」 「習熟度や達成度の評価は一切行わない」といった内容が知られてきたことも一因かもしれません。特別な準備を必要としない、体験し慣れることに主眼を置いた授業にすぎないからというわけです。
 国の制度としてはこれでも画期的な一歩を踏み出すことになりますが、翻って我が子のことを考えてみていただきたいのです。比較的時間に余裕があり、親の影響下にある小学生時代までにどれだけの力をつけておいてやることができるのか。どれくらいの力があれば、その先学習もほとんど本人の意思まかせで自立して行うようになってからも安心と言えるのか。我が子の場合にどうなのか、が重要なことでしょう。
 そこで、当学院の現状に基づいて、子どもが小学生のうちにどこまでの英語力をつけられるものなのかのイメージをお伝えしておくことも無駄ではないと思います。個人毎に前提となる緒能力や家庭環境は異なりますので、長期的な視野で計画を立てる際のまずは参考とお考えください。
 10月に実施された英検では、(1年生から続いてきた)3年生クラスの生徒達が5級(中1終了相当)を受検しました。3年生全体では1月受験の生徒の方が多くなりそうですが、その前後に中1の教科書をさっと読む授業に入ります。いずれもギリギリの力ではなく、英文が読め、構文をほぼ理解して自分で文が作れる力を3年生のうちに身につけることができます。そこからは単文だけでなく長い文章が読み取れるようにしながら、過去形や未来形、不定詞などの学習を進めます。ネイティヴ講師との英語だけでのコミュニケーションも継続しますので、会話への対応力も確実に高まります。英検を評価基準とした見通しとしては、4〜5年生で4級(中2終了)、5〜6年生で3級(中3修了相当)となります。英検にない自分で綴りから書くことも行いますので、<読み書き聞き話す>の4領域で中学英語を高いレベルで身につけることができます。
 これは、普通の国語力があれば週1回50分のレッスンと通常のA4で2,3枚の宿題を普通にやって来ることで達成できるペースです。実際には、半数の方は中学入試の準備で英語学習を休まざるを得なくなっていますいますが、まとまった文章が読める中2レベルまで“固めて”あれば、1年程度のブランクは短期間で取り戻せます。つまり、中学校へ入る前に、文章が読め、基本的な英文なら自分で作れる力、さらに、相手の話すスピードで聞き取り意図を汲み取ることができる力を養成しておくことは、よほどのケースを除いて中学受験とも両立可能なのです。
 現在の小学2年生や1年生のクラスは、少し速い進度で進んでいますが、国語力や思考力(複合的概念を操作できる力)などの発達をみながら決して無理なツメコミでなく本物の実力を伸ばす方法にこだわって指導しています。また、小学校の途中から始められる方のクラスも、同様に国語力や思考力が高い分の利点を活かして速く進んで追いつけるように工夫されています。
 制度は変わりますが、我が子には1回限りのかけがえのない時間です。いつもお伝えしています『自己防衛の教育』のお手伝いができるよう、当学院もさらに努力して参ります。 
(2010.11.1)
17:02:07 | natalis | |

09 June

<Natalis News>幼児期に“感覚”を養成、小学生で英検3級合格、中学生で英検2級なら...

(NATALIS NEWS 2009年3月号 より)
 新年度を前にこの1年の学習成果を総括してみますと、今年も受験生や英検で客観的な評価にチャンレンジした生徒たちが素晴らしい実績を残してくれました。その中でより明確に見えてきたこと、より大きな自信を持ってお伝えできるようになってきたことがあります。それは、どの時期にどんな実力をつけておけば、どれだけの成果につながるか、という最も重要とも言える「見通し」の具体的な内容です。

 表題の通り、中学生で英検2級(高校終了相当)に合格する生徒が続くようになってきました。
 英検だけでももちろん立派ですが、当学院の方法では英検問題以上に難しい長文を深く正確に読み取れるところまで鍛え上げ、さらに速音読を含む独自のメニューでリスニング力やスピードまで養成していますので、難関校の受験にも直結する力になるのです。学芸大付属や慶應女子高に合格したHさんの場合も、大学入試2次試験レベルの英文を読んでいましたので、高校入試の問題で困ることはありませんでした。それでも慶應の問題は手が付けられない部分が残った程だと言います。多量の難しい長文を読み語数の多い作文まであるので、普通の学力では全く歯が立たず点差が大きく開いてしまうテスト。それは逆に、実力のある人にとっては大きく差をつけられる教科となるのです。合格者の平均点が高いところに集中しやすい数学や理科社会、差がつきにくい国語と比べて「英語ができることが最大の武器になる」と言われる所以です。Hさんの他にも、中高一貫の有名私立進学校でトップクラスを維持している人たちも同等以上の進度で進んでいることを付け加えておきましょう。
 そのような実力の目安が、まず中学生で英検2級合格だとすれば、例えば、中2で英検準2級や中1や小学生での3級合格もそこへつながる道の里程標となります。実際、昨年中1で英検3級に合格して高校入試の最難問レベルに取り組んでいるMさんは、有名進学校の校内試験で英語は10位以内を維持しています。
 そうしたなかで、小学生で3級に合格する生徒が増えてきたことは、中3までにはさらに先まで進んでくれるのではないかという期待を抱かせてくれます。(とは言っても当学院内では中学受験をされる方のほうが多数派ですから、絶対数はまだまだですが。)公立中学校で部活や校内活動に大活躍しながら最高の成果を挙げたHさんのような例もありますので、中学受験に迷っていらっしゃるご家庭にとっては一つの選択肢ともなることでしょう。
 一方で、中学を受験することを決められている皆さんには、小3で英検3級合格して小5の途中まで英語を続けてくれたKさんの例があります。トップ校の一つに合格しすぐに戻ってきてくれたKさんは、ブランクを取り戻し試験に対応できる正確な力をつけるために総復習をしていますが、入学前に中学相当の内容は「完全」にできる見込みです。長文が読める英検3級まで磨けば輝きはすぐに取り戻せるのです。3級でなくとも文章が正確に読み取れる4級程度まで中学受験に集中される前までに進んでおかれることを強くお勧めします。レベルの高い学校であればあるほど、入学後に英語で差がついてしまいなかなか追いつけないという現実があるのですから。

 小1をはじめ低学年で英検5級にチャレンジして合格し、さらにやる気を高めている小学生がどんどん増えていることは、上記のような道へさらに高い出発点で進んでいける生徒が多くなるという大きな期待を抱かせてくれます。この国の英語教育は、小学5,6年生にアルファベットからの学習を始めさせることを大問題としていて、11年の実施を前に未だに中止や延期の議論が止みません。しかし、実際に子どもたちは、週1回50分の授業と週にA4用紙で2,3枚程度の宿題で、これだけの実力をつけられるのです。今回は受験などの学力に絞ってお話しましたが、会話やコミュニケーションの根幹の力であるリスニング・コンプリヘンション(聞いて理解する力=音声の聞き取りだけでなく、相手の意図まで汲み取る能力)の領域ではもっと素晴らしい成果が現れています。幼児期から感覚や姿勢を育て、その力をさらに高度な言語能力にまで直結させるアリティス・メソッドで日本の英語教育を革新するという当初の使命を現実感を持って再確認し始めています。

21:57:00 | natalis | |

02 June

<2008年6月2日>「小学3年生からの英語の必修化」の提言、我が子は!?

 小学校の英語本科導入についての新しい動きとして政府の教育再生懇談会(座長・安西祐一郎慶応義塾長)の中間報告が注目されています。
「小学3年生からの英語の必修化を提言」というもので、内容は、小学校3年生から年間35時間以上の英語授業を実施するモデル校を全国に5千校程度設ける、さらに、TOEICなどを活用して小学校から大学までの各段階での到達目標を明確に設定、英語教科書の質や語彙(ごい)数の向上、英語教員の採用にTOEICの点数や英検合格などの条件を課す――などを盛り込んでいます。渡海文部科学相も個人的な意見としながらも、「検討しなければいけない」と会見で述べています。

 すでに決まっていることとしては、小学校の改訂学習指導要領が11年春に全面実施され、小学校高学年に週1コマ、「外国語活動」を教科として導入することになっています。これいついても文科省は学校の判断で09年度から前倒しで始めることを認める方針のようです。   

 いつもお伝えしていますように、国の制度もどんどん変化していますが、 我が子については我が家で守らなければならないということを忘れてはなりません。時々、先駆的な実験校に関心があるがどうだろうといった相談を受けることがあります。そんなときにお話しするのは、計画内容でだいたいの予測をすることはできるにしても、「制度は常に変わる可能性があるというリスクを計算しておく」ということです。先日も某国立小学校の保護者の方々から、そこの中学校には3割しか進学できないと言われた、とのお声が聞こえていました。受験や入学前には聞かされていなかったことも、こうして従うしかない状態になることがあり得るのです。国から学校の関係者まで必死にこの国の教育をなんとか改善していこうと努力しています。その結果いろいろな改革変化が必要なのは言うまでもありません。しかし、私たちにとってもっとも大切なのはいつでも我が子のことです。

 小学校の英語必修化に話を戻せば、当学院の現状では、低学年から中学生相当の英検に合格することは、週1回の通学で十分可能です。小学生でも英語の読み書きも文法事項も理解できますし、長い文章を読み取ることも国語力の伸長のための時間を減らす必要がない程度の負担でできるのです。会話やリスニングなどコミュニケーションはもっと得意です。たくさんの生徒達が普通にそのような力をつけているのを見ていると、諸外国の早期英語学習の制度も決して無理をさせているのではないことがよくわかります。
 国や社会の向かう方向は見据えながらも、いつも提唱している『自己防衛の教育』をさらに推し進めて、「目の前のこの子の将来」に一番大事なことを、さらに先まで追求して参りたいと思います。
 ご意見をお待ちしています。
17:24:49 | natalis | |