02 September

国語力がすべての土台です!

☆学院長木原による国語の個別指導枠(小学生でも通学可能な時間帯)を若干増やしました。
  ◆月曜日17:15〜、18:15〜  
  ◆木曜日18:30〜  
  ◆金曜日17:45〜
 ※荻窪校のみ。1回50分〜、通常は小2以上、中学受験対策可。
 ※月会費16,800円〜(時間の長さによります。入会金は半額の5,000円、教材費別)
 受験の前にしっかりした読解力や作文力をつけておくことが、すべてのカギになります!目標・内容等はお気軽にお尋ね/ご相談ください。
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01 May

<Natalis News>より  英語が使えるようになるための国語力の伸ばし方

 いつも国語力の大切さについてお伝えしていますが、実際にはどのようにして力を伸ばしていけばいいのかという質問をよくいただきます。生まれたときからの言語環境他の個別的な要素が多いため具体策の詳細は一人ひとりにあわせて考える必要があります。(これは『家庭学習ガイド』でご提供できるようになりました。)しかし、大まかな目標なら、だいたい共通の、ひとつの目安となるかもしれません。
 <12歳=小学生のうちに大人の読む教養書が読めて自分の言葉で議論ができる>というのが前半の大目標です。まずはそこまでの途中経過を考えてみましょう。

(1)しゃべり出しの時期は関係ない/出てくる言葉よりどれだけ理解しているかに注意
●読み聞かせと言葉による語りかけを出来る限りたくさん行って、何でも言葉を通して伝え合うのだということを早く理解させます。ぐずるような時でも、話して聞かせれば待てるといった状態が目標になります。二語文/三語文で話そうとする姿勢が早く出てくれば良好です。
(2)幼稚園の間に、小1・2程度のお話が、しっかりした音読ができるように
●少なくとも年少からは文字の読みを始めますが、書く訓練は集中力や持続力の養成にも効果的なので早くからお絵描きなどで遊ぶ習慣をつけておきます。
●ひとり読みまでにはたいへん時間がかかるものと考えてください。一緒にまたは交互に読んだりして徐々に読めるようにしましょう。読めるようになってからもまだ読み聞かせは重要です。
●読んだ話の内容について話し合うことを忘れないで。ただし、内容理解はまだ不完全で感想も思いつきのようなものです。話の筋を確認し、あらすじが自分で言えるように導きます。
(3)小学低学年:少なくとも2学年先の教科書が読め/段落単位と全体の要約ができる力を
●あらすじから要約へと進めます。いきなり全体は難しいので段落単位から行います。そのとき、2、3年生なら小見出し作りで文の構成についても理解するようにしましょう。
●単なる漢字の書き取りから熟語の理解と使用を中心にしていきます。辞書引きも習慣化します。
●主語と述語に注意して、先に設計をした上で文章を書く練習をします。3年生の終わりには、原稿用紙3枚=1200字程度の構成のしっかりした文章が書けることを目標に。
(4)小学高学年:4、5年生で一気に読解レベルを高める/目的をもった要約・文法・語彙を
●難しい論説文でも読みこなせるためには、まず漢字と語彙の力が大前提となります。普段から新聞や説明的な文章を読む習慣をつけておく必要があります。家庭内でも話題を選びましょう。
●早い時期に中学レベルの国文法を一通り教え、指示語と接続詞は完全にしておきます。
●物語文の心情理解は最後に完成させます。人物の特徴や思い・考えを言動や描写から理解し自分の言葉でまとめられるようにします。

 中学高校で必要な国語力は<理解から批評へ>を目標に、<文と全体との往来による精密な読解と、作者の思想への到達=自分の言葉でのまとめ>を完成させることになります。特に、全体を意識した一つの文の読みや、語の選び方や論の構成にまで筆者の意図を読み取る力は、英文の理解にも直結するもので、大学入試2次試験の英語突破の鍵にもなります。英語の原典を精読で、日本語と対峙させながら読み込むことで両方に共通した最も深い部分の言語能力を伸ばすことができます。
(2010.5.1)
19:51:00 | natalis | |

01 October

<NATALIS Newsから> 国語でも英語でも、「要約力」をこそ!

 再び読書の話です。いつものように言語能力や思考力の養成という観点から、今回は「要約」の重要性とやり方について少し詳しくお伝えしたいと思います。ただ読むだけではもったいないのです。ぜひこの「要約」ということを意識してご家庭でも取り入れていただきたいのです。

 高度な考える力とか抽象的思考力につながる読書ということで、読後に要約訓練を取り入れることを何度かお勧めしてきています。要約とは、もちろん、読み終わったばかりのお話の内容を短くまとめることですが、段階に応じていくつかのポイントがあります。

 幼児期の読み聞かせの段階なら、自然に親子で対話をすることになりますから、まずは、内容をどのくらい理解し覚えているかということに注意してヒントを出しながらきいてあげましょう。小学校受験のテストに「お話の記憶」という領域がありますが、やはり話を聞いて内容を理解してある程度覚えているということが要約の前提になります。記憶力とともに話の筋を注意を切らさずに追っていける力も重要な基礎力です。とはいえ、この年齢では自分の注意力をコントロールすること自体がたいへん難しいものです。結局は量をこなすことで伸びていきますので、つい詰問調になってしまわないように気をつけ、楽しく話し合う工夫をしながら続けたいものです。

 一人読みができるようになれば、読みの深さや正確さを確かめるためにも、どんな内容なのか興味があるという姿勢で尋ねるようにしましょう。小学生でも、だらだらとはじめからストーリーを話し始めたり、印象の強かった部分だけを細かく再現し始めたりすることがよくあります。このレベルから気をつけるべきは、「全体をそのまま縮められる」ことをめざすということです。実はこれは相当に難しいことです。話の全体を重要部分だけ取り上げてしかも過不足なく縮めるのは、大人でもかなり苦手な方も多いようです。はじめは、時々助け船を出したり、「あの○○はどこで出てきたの?」と思い出させてあげたりしながら、本人の言える範囲で言わせます。小学生なら書かせることができれば、格段に力が伸びていきます。そうして、次のポイントは、まとめの長さを変えられるようにすることです。「もっと簡単に言うと、どういうこと?」とどんどん短く言い直させるとよいでしょう。そして、最後には「つまり一言で言うと?」と大きな場面・段落毎の小見出しを作らせます。100字程度の少し詳しい要約文から小見出しまで、自在に長さを変えて自分の言葉でまとめられれば理想的です。

 実は、この全体をそのまま短くまとめ取る力をつけることは、英語の本格的な読解訓練の初歩においても非常に重要なハードルなのです。例えば、小学生で英検3級(中3終了相当)に合格しても、読解問題をスキャニング(必要な語句を探し出す情報読み取りのための、速いが表面的な読み方)のテクニックで点数を稼いでいるだけなら、その先のレベルで大きな壁にぶつかることになります。スキャニングは確かに重要な技術ですが、根幹となる基礎力を養成すべき段階ではまず本道を進むべきです。私たちのアリティス・メソッドの英語教育では、早く基礎文法を身につけ、その後は様々な角度から徹底的に「読み」を鍛えることになります。そして、そのなかでも段階的に内容を要約していく訓練が本物の力をつけるための大きな要素になってくるのです。当然、その時に母語である日本語の要約力も関係してくることはご理解いただけるでしょう。

 さてさて、日本語の要約についてもう少しだけお話しておきましょう。
 高学年で、特に中学受験をされる方は、熟語を正確に使って(長々とした経緯や複雑な関係などをたった二文字の言葉に収斂させるように、的確な熟語を自分の持つ語彙から選び出しそれを武器として要約して)いるかどうかをチェックしてください。熟語を漢字練習の延長と考えてはいけません。要約とは、つきつめれば、文章の大きな部分を概念としてまとめ、さらに熟語の単位にまで凝縮した上で、それらを組み合わせて全体を再構築する作業とも言えるのです。

 最後に、中高生まで使える一石二鳥の要約訓練法を一つ。他教科、特に社会や理科の教科書・参考書の内容を要約して自分のためのノートを作るのです。テストに必要なレベルを想定して妥協せずに行うと、その教科については短期間でも大きな効果が得られます。
(2008.10.1)
00:01:00 | natalis | |

01 May

抽象的思考力と言語能力 <本当に「できる子」「伸びる子」になるために>

 英語であれ国語であれ、言語能力が大きく伸びていけるかどうかのポイントは抽象的な思考力の発展にかかっているといっても過言ではありません。
 その発展にも段階があり、例えば、はじめて文法的なルールを理解して新しい文に応用するような初級レベルから、直接それを指す言葉を使わないで何らかの複合的な事象を理解できるレベルといったように進んでいきます。そして最終的には、自分にとって未知の概念を言語のみによって立体的・総合的に理解できるところまで、言語と思考とはほとんど表裏の関係を成しながら高度化していくのです。
 ここでお伝えしたいのは、英語の力を早く確実に高めようと思ったら、抽象思考のできる力をまず母語である日本語で鍛えようということです。
 幼児であれば、覚えた物の名前を分類する「仲間集め」のようなところから始めます。数も抽象性を備えた別の言語体系と考えられますから、日常生活と数概念を結びつける活動や数唱・数書などの強化トレーニングは有効です。知っておきたいのは、子どもが能力を伸ばしていけるのは内部にすべてが詰まった「種」のようなものを持っているからではなくて、(1)すべては外部から与えられるのであり、(2)順々に、つまり、常に現在自分の持っている力の一歩先のことが獲得されていく、という発達上の法則です。だから、子どもをよく見て本当に必要なことを与える(させる)のが親の役割ということになります。
 小学校に入ると抽象性も高まり、いわゆる「書き言葉」での鍛練に中心が移ります。より高度な文を読み、書き写し、要約するような練習が大切になりますが、十分時間をとった「対話」あるいは「議論」も重要で不可欠です。実は、これらこそ現在の学校や家庭で大きく欠落している最たるものでしょう。
 例えば、一つの新しい言葉(漢字学習の延長で新出熟語からはじめてもよいでしょう)や概念を使って対話をします。その際、「本人が意識していて」「自在に使いこなせる」かに注意しながら、内容のある話を進めていくことが大切です。

 さらに、その次の段階もありますが、とても一度では書ききれないようです。もっと様々な具体策や、その先のために読書をどう「思考力」に結びつけていくのかといったことについても、今後教室で、あるいは当ブログ等でお伝えしていきたいと思います。 

    ☆私たちは国語力を大切にする英語スクールです!(2008.5.1)


16:35:22 | natalis | |