Complete text -- "英会話4つの“?” <2>小学生で「感覚づくり」って、遅くない?"

18 May

英会話4つの“?” <2>小学生で「感覚づくり」って、遅くない?

 世間に流布している英会話についての“?”な事柄について、私たちの考え方をお伝えするシリーズです。


 →  現在小学校で行われている英語の授業は(力を入れている私立でも4年生位までは)、音声を中心に英語に慣れることに主眼をおいています。これは、まず英語に前向きな姿勢をつくり、大きな声で挨拶や単語を言ってみるレベルから、ゲームやロールプレイなどを通じて英語を使う感覚を養っておこうということです。  
 公立では、新指導要領によると今年から必修化された小学校の英語科のなかで5,6年生(年間各35コマ)の授業で行う内容もだいたい上記のようなものになりそうです。(*詳細は別項にて記載)
 
 制度上の問題点はよく承知しているつもりなので学校の英語を批判するつもりはさらさらありませんが、純粋に方法論から言えば、上記のようなことは幼児期にこそ、より効率的に、本人も楽しみながら、そしてより深く育てていける感覚的な能力なのです。聞き分ける力と発音をまねる音声面の力は、肉体や脳・神経系の発達からも当然ですが、誕生に近い程大きく伸ばすことができます。4歳児と1歳児を比べた場合でさえ、誰が見ても1歳児の吸収力、自己形成力に驚くことでしょう。他にも、幼児期特有のそのままお手本をまねて身につける学習力、周囲を気にせず思いっきり何かになりきって楽しめる力、相手にまっすぐ向かっていくコミュニケーションの姿勢等々、幼児の持っている圧倒的に有利な学びの機構が最大限に発揮できるのが、上記のような領域なのです。
 反対に、小学生になると高次精神機能ともいわれる「知性」の働きが一般的に2年生頃から急激に高まり発達してきます。その知性と、知性がダイナミックに成長していくこと自体を最大限に活用してこそ最良の学びが実現できるのではないでしょうか。
 少なくとも我が子の教育に関しては、こうありたいと思うのです。英語の「感覚づくり」は夢中になれる能力が最大である幼児期に中心を置き、できる限り体験的に行いたい。ただし、小学校の低学年くらいまでは経験の蓄積は重視してよい。一方で、乳児の時から知性の土台となる母語の言語能力を高めることを最大の目標とし、小学生で抽象的思考力を確固としたレベルまで鍛える。その知性を動員しながら外国語も先の感覚に基礎を置きつつ効率良くより高次の段階まで学ばせる。・・・・・。
 (テーマとさらに離れてしまいますが、世の中とか標準とかではなく、目の前の我が子にどんな人になってもらいたいか、最低限どんな能力を持っていてくれなけば親として安心できないか、そんな自問が根本にあります。そして、背景知識として、子どもは世間の常識や制度によって決められたものをはるかに超える能力の可能性をもっていることを知っていること、親が直接的な影響力を発揮できるのはおそらく12歳までであること、そして、世界を見渡せる広い視野を持った知性だけが現前する諸問題を解いていく唯一の力であるという確信、そんなものがあります。)



23:24:00 | natalis | |
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