ナタリス学院の教育　～ ALITIS WAY of LEARNING ～

Archive for November 2019

01 November

＜Natalis News＞より　　「性格」と自己管理能力

　幼児期から、たとえ高校生になっても、我が子という一人の人間の性格や気質とどう付き合っていくかということは、常に、毎日の大きなこととして目の前にあるのではないでしょうか。
　特に「気質」は先天的なもので変えることは難しいと言われますし、性格の大方も、親の側が相手にとっての重要な「環境」になるわけですから簡単にコピーするようにはいきません。また、あらゆる内的・外的経験の予想もできない影響を考えると、とても計画的に教えて作り上げることなどできません。
　見方を変えれば、子どもは生まれた瞬間から独自の性格をつくり始め、昨日も今日も新しい経験から新しい自己を創造しているのです。それは親とは絶対に異なる他者の人格でありたとえしつけのような強制力を発動する必要がある場合でも、まずその尊厳を認めるところから始めなければなりません。それでも、目の前に現れつつある未知の“人”とよく知り合い絆を結び合うのだと考えれば、自分の存在意義まで意識するような深い楽しみさえ感じられる気がします。
　一方で、性格という言葉と一括りにしてしまいがちなのが、自立と自己管理の面の行動傾向です。「甘えん坊で依頼心が強い」というような面は、性格というより成長度の問題で、年齢と発達に応じた自立を促す働きかけが求められます。２、３歳で最初の反抗期が始まる頃から、今どんな自立段階にあるかを考えながら、次の見通しを持って対応するべきです。時には、子どもの欲求に対して「NO！」を絶対に譲らなかったり、自分でやるまでどんなにかわいそうでも手を出さないで待っていたりといった意図的な対応が求められます。こんな性格だからと安易に受け入れてしまうと、せっかくの成長の機会を阻んでしまうこともあるので注意が必要です。
　また、年齢が上がるにつれて「だらしない」とか「飽きっぽい」といった言葉で評されるケースが増えてきます。他にも「自分の気に入ったことしかしない」とか「人の意見を聞こうとしない」あたりまでくると高学年から中学生までかなりの範囲の生徒が言われたことがある、またはよく言われるはずです。これも性格と言うより、半分は自立度の高まりを反映した自然な成長過程で、もう半分は気持ちの能力とでも言うべきものでしょう。後者は、自己管理ができ合目的的な行動を選択し継続できる力ということですが、実は、これこそが最重要ともいえる課題です。学業だけでなくその後の人生にまで影響し続ける根本的な能力の土台の一つだからです。
　結論から言えば、自己管理能力を育てるためには、①早期から（遊びでも勉強でも）ブレない方針に基いて粘り強く働きかけ、②習慣の力を自分の中に確立する（それが当たり前になるように）、そして③成功体験を積ませること、によって自分のものにできるように補助することです。しかし、受験などのストレスやプレッシャーという強敵との戦いがあることも理解すべきです。始めのうちは寄り添ってあげて、圧力に屈しないで乗り越える経験を一緒にしたいものです。わずかな変化に気づき、発している信号を感じ取って頼れる場所があることを常に感じさせれば、自分で次の一歩を踏み出せる、その力を信じてあげることまでが親のできることでしょう。

16:36:03 | natalis | |

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