01 May

<Natalis News>より 自己防衛と安全保障の教育方針を   〜0歳からの子育ての考え方シリーズ〜

 北朝鮮が軟化の姿勢を見せ、歴史的な米朝首脳会談が日程に上ってくる等、情勢は急展開し、新たな時代を迎えようとしているのでしょうか。それともまたこれまでの繰り返しとなるのか、今はまだ見守るしかないように思われますが、今回の仰々しいタイトルはそのような防衛や安保の議論をしようというのではありません。
 子育てにおいてもしっかり吟味された“我が家の方針”を持ち、子どもの状態に合わせて微修正はするにしても、長期にわたって筋の通った教育を心がけることが重要です。はじめにこの方針を立てる時には、ニ種類の方針が同時にあってもよいと思うのですが、それは、「夢」と「安全保障」です。
 夢については、言うまでもないでしょう。誰でも親も子も夢を持てること自体幸福なことで、どんな夢でも尊重される価値があるはずです。
 しかし、現実の世界を生きていく以上、この社会に備わった様々なハードルを乗り越えて成長することが求められ、常に顕在的あるいは潜在的なリスクの海の中を泳いでいかなければならないのです。そのことを考えたとき、親として何がしてやれるのか。それこそ、我が子が自分自身を守っていけるー自己防衛のー 力をつけておくことではないでしょうか。成人する頃には、親の世代からは想像もつかないような世界になっているかもしれません。どんな時代環境にあっても、また、この星のどこに行くことになっても、使命感を持って自力で人生に立ち向かい、長い道のりを強く生きぬいていける人になれるように、健康な体づくりとともに知性の基礎体力とも言うべき土台を養っておくことこそ、親だけがしてやれる我が子の「安全保障」なのです。
 では、限りある時間とかけられる労力も考えて絞り込めば、どんな目標を持つべきなのか。当学院では創立以来、どのご家庭でも必要になる最大公約数的な部分を以下の3点に集約して提唱しています。それは、12歳までという親の影響力が最も及ぶ時期のうちに、(1)文庫や新書レベルの大人の本が読め、自分の言葉で内容について語れる力、(2)大人を含む他者とのコミュニケーションの取り結びができる能力と姿勢、(3)高度な英語運用力に到達できる土台となる力、の3つを養成しておくことです。やはり、言葉こそ知性と社会性の根幹だと考えられるからです。
 厳しい環境にも負けず自ら志した道を自らの力で切り開いて進んでいける“独往自立”の人になるために、このような最低限の基本の力を保障する、という方針を持ち、それを日々の習慣の中にまで落とし込んで実践して絶対に実現すること。進路や学校選びの前に、ぜひ家庭の持ち分としてお考えいただきたいのです。では、我が子のための具体策は?いつでもご相談をお待ちしています。

21:39:00 | natalis | |

01 December

<Natalis News>より 幼児・低学年の時からこそ   〜0歳からの子育ての考え方シリーズ〜

 当学院の最も大きな特長の一つは、0歳から大学生や社会人までの成長・発達をひとつながりの視点で見て、それぞれの段階に合わせて最適の「教育」を提供する、というコンセプトです。教育にカッコがついているのは、あくまで家庭教育の側に立って(一方に制度としての、園や学校の教育がある前提で)この目の前の“我が子の将来”を考えて行なう教育という限定があるからです。
 さて、一人ひとりの子どもたちと5年どころか、8年、10年、最長15年、とつきあってきて思うことはたくさんありますが、知力の養成という観点から共通して言える重要ポイントの最大のものは、やはり、幼児期と小学低学年時の、または、その時期からの、働きかけと能力の土台作りに関するものです。
 その第一は、もちろん当欄でも何度もお伝えしている「読書力」につながる言語能力の養成です。今回は要点だけにしますが、生まれたときからの語りかけから、言葉をたくさん覚え始める2〜3才の時期の声かけと読み聞かせ、文字の読み〜一人読みへと進めながら、読みの「質」(=正確さと深さ)をどう高めていくか、そして、小学校に入ってからは、いかに2、3年生での抽象的な言語の世界への離陸を成功させるか。今の状態をよく見極めながら、あらゆる手を尽くして、「安心できる読書」=内容を吸収しながら自然に語彙と読解力を高めていく読書、ができるところまで独り立ちさせるかが、その後の知力の発達と学習の進捗に非常に大きな影響を及ぼすのです。
 第二は、“心の器”作りと言うべきでしょうか。生態学的には、ヒトも外部の環境に影響されると同時に働きかけ利用ながら、自らも変化して成長していく生物です。自分を取り巻く人や物事をまずしっかり受け止め、前向きなプラスの姿勢でかかわっていける心の状態ができていれば、日常のあらゆる経験からどんどん吸収して、学びの底力となる人間の厚み、つまり環境変化への対応力を養うことができます。そのためには、幼児期から、身近な人々と愛情に基づく深い関わりの“やりとり”を経験することです。日々のちょっとしたイヤなことから大きな挫折まで、成人するまでは実に様々な想定外のことが待ち受けていますが、それらを越えてもずっとまっすぐに進んで行ける、究極の素直さや誠実さは、先天的な気質とは別に、周囲の環境から時間をかけて育まれるものであることを覚えておきたいものです。(これも、詳細や具体的な方法論については教室で!)
 第三に、習慣と継続の力を挙げたいと思います。これはあまり説明の必要はないでしょうが、やはり、人の成長を助け支えるという点で実に大きな効果を発揮するものです。生活や活動の全般にわたって、目先の何かによってむやみにを変えないこと、つまり、方針がぶれないこと。そのためには、幼児期から我が子にとって何が大切なのか、ずっと先の方までを見通しているのか、を吟味して目標や方針を定めるべきでしょう。その上で、決めたことを、たとえ親の方が苦しくなるほどのことがあってもなんとか続けさせられれば、目に見えにくくとも確実に大きな地力が形成されていきます。
 ちょうど先日、11年間続けてくれたAさんが、第一希望の立教大学の推薦入試に合格したと報告してくれました。途中には何度か中だるみというか、友達や先生と話すことが楽しみで来ているような時期もありましたが、本質的には素直で前向きな性格だったので、山あり谷ありを乗り越えて続けることができ、英検取得や英語の成績や実力が決め手となりました。Aさんの将来を自信を持って祝福できるのは、彼女の長い学びの日々の努力と習慣として根付いている“乗り越える力”を知っているからです。いつのまにか英語を活用して世界へ羽ばたこうとする学部を志望していたことも、当方にとっていっそうの喜びです。

02:18:26 | natalis | |

01 October

<Natalis News>より 深く掘り下げて考えられる人に   〜0歳からの子育ての考え方シリーズ〜

 どんな分野であれ知的で生産的な人は、ただたくさんの知識を持っているということではなく、まず、細部まで深く掘り下げて考えることができ、さらにあらゆることの繋がりあった全体像とともにその関連の中で判断することができる、
そんな思考活動を普通に行なえる人だという言い方ができるかもしれません。それは、勉強でも仕事でも、何かをうまくやり遂げるために必要な力でもあります。
通常は、小学生から中高生へと成長する過程で伸びてくる力ですが、差もどんどん大きくなってくるのも事実です。では、我が子にそんな力を備えさせるために、子育てや働きかけには何かポイントがあるのでしょうか。
 こんなことを書いていますのも、実は、最近の子どもたちに共通して、深く考えようとしない、否、深く掘り下げて考え抜こうとした経験が乏しすぎるのだと感じさせるケースが非常に増えているからです。思考の短絡傾向と言ってしまえば昔からあることですが、学校の成績の良い生徒たちの多くからも感じ取ることができます。数日前に国立大学で教鞭を取る友人と話したときも同じ話題になりました。30年以上子どもたちの思考力の獲得と伸張というテーマを持ってかかわってきたものとして、危機感を抱かずにはいられないのです。
 さて、途中の分析は煩瑣になりますので今回は割愛しますが、(発達心理学や教育環境についての調査・研究や実際に生徒を指導し観察した経験から)これだけは注意したい子育てのポイントは:

(1)遊びと経験を見直そう・・・赤ちゃんのときから、親が教えたり手を添えてやったりしてできるようになったら、後は自分でいろいろなやり方でやってみることをもっと奨励すべきでしょう。それは、5、6歳以上になると、何かを本格的にやってみる体験になることもあるはずです。模型飛行機を手作りして飛ばしたり、時計やラジオを分解したり、さんまの内蔵を取り出しながら料理したり、
かつてはよく行なわれた遊びが備えていたような、自然と細部を掘り下げ全体を統合しながら何かを無意識に学び取る経験は今や相当に意識的にならないとさせられなくなっています。

(2)テレビゲーム/スマホやパッド/ドリルへ依存を減らそう・・・受動的で、短絡的な遊びの代表はわかるとして、ドリル学習もそればかりに頼りすぎると、時間に追われて考えずに答だけを出そうとする頭を養成する訓練になってしまう危険性があります。親の側の便利なツールは、子どもの成長と学びの観点からはどうなのかと常に精査される必要があるはずです。

(3)やはり対話と読書が決め手!・・・生まれたその時から、たっぷり言葉をかけて反応をみてはまた声をかける、最も大切な働きかけ。それはやがて話せるようになったら、対話として段階を上げていかなければなりません。小学生でも、中学生であっても、自分の考えを的確にまとめて人に伝える訓練は家庭でのふだんの会話からでしょう。それを支えているのが、読み聞かせからはじまる読書の蓄積です。そして、何かを追求するような、それこそ自分の興味を掘り下げていく読書が習慣づくまで様々にサポートをしていかなければなりません。(その方法はいつでも教室でお話ししています。)

 想像してみてください、自分で納得するまでとことんやってみる経験を積んでいる子どもが、自分の興味の探求のために次々と本を探して読み込んでいる姿を。彼女/彼が、たとえば、小3でも中3でも、あとはもう安心だと思えるのではないでしょうか。 

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